立憲民主党元代表の枝野幸男衆院議員が15日、自身のX(旧ツイッター)を更新。公明党との新党結成でを念頭に、「立憲民主党」への愛着や、複雑な思いを長文で投稿した。投稿は200万回以上の表示回数となり、2000を超えるコメントが付く反響となっている。

結党からかかわった枝野氏は、衆院選で新党が立ち上がることを受け「私自身、2017年10月の結党時の姿のまま続けられたらという思いが全くないと言えばうそになります」と本音を告白。支援者にあらためて感謝した上で、今回の新党に反発する支援者に対しても謝罪した。

一方で、政治環境の激変などを例にあげ、執行部の決断に理解も示した。「解散・総選挙は待ってくれません。この選挙で手をこまねいている間に、高市自民党や維新が大勝し、立憲民主党が激減してしまえば、取り返しがつかなくなる可能性があります」とも指摘。「政治家としての責任は、自らの感傷を離れ、果たすべき役割に向き合い、最大限の挑戦をすることだと考えています」と、新党での活動に向けた決意もつづった。

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立憲民主党を支え続けてくださっている皆さまに、あらためて心より感謝申し上げます。SNS上での厳しい批判や圧力がある中でも、揺らぐことなく応援してくださる皆さまの姿勢には、頭が下がる思いです。

2017年の希望の党騒動の際には、結党直後の短期間で、大きなご支援をいただき、わずか半月で野党第一党へと押し上げていただきました。まさに皆さまのお力で立憲民主党は救われました。このことへの感謝は、今も変わりません。

今回の党の決断について、納得できない、同意しがたいと感じておられる方が少なくないことも受け止めています。ご支援くださる皆さまにそのような思いを抱かせてしまっていることに、心からお詫び申し上げます。今回の積極的意義は執行部からの発信に委ね、私からは特に立憲民主党を強くご支持いただいてきた皆さんへのご説明をいたします。

率直に言って、私自身、2017年10月の結党時の姿のまま続けられたらという思いが全くないと言えばうそになります。

しかし、この8年余りで、日本政治と立憲民主党を取り巻く環境は大きく変わりました。特に二つの点で、状況は結党時とはまったく異なっています。

一つ目は、野党第一党としての「公器」への変化です。

皆さまのご支援により、立憲民主党は結党直後に野党第一党となりました。

結党の原動力は、排除の論理への反発や、自らの信念を貫くという個人的な思いが、大きなウェートを占めていたことは間違いありません。こうした姿勢に共感してくださった多くの方々が、党を支えてくださいました。

しかし、野党第一党となった瞬間から、党は「公器」としての役割を強く求められるようになります。信念を大切にしつつも、与党に代わりうる選択肢となるためには、より幅広い国民を包摂する姿勢が不可欠です。これは、結党時の反骨精神とは性質が大きく異なります。

2017年総選挙直後から、私は代表として、結党時の思いと「公器」としての責任をどう両立させるか、苦心してきました。

二つ目は、安倍元総理の死を契機とした政治環境の激変です。

2022年、安倍元総理の逝去は、日本政治にとって象徴的な転換点となりました。

立憲民主党の結党は、自民党一強・安倍一強体制の下で行われました。安倍政権は強いリーダーシップで、自民党的秩序を社会の変化に合わせてかろうじて維持していた側面がありました。

しかし、安倍氏の退陣と逝去により、抑え込まれていた変化が一気に噴き出しました。

極右勢力の台頭、分断をあおる政治、目先の利益に訴える悪しきポピュリズム

--こうした動きが勢いを増し、政治の秩序は大きく揺らぎました。

その到達点の一つが、昨年の参議院選挙であり、公明党との連立から、維新との連立へと舵を切った高市政権の誕生だと受け止めています。

かつては「自民対非自民」「権威主義対立憲主義」という対立軸が大きな意味を持っていました。しかし今、最も問われているのは、分断と対立をあおるポピュリズムとどう闘うかという点です。

立憲民主党もまた、安倍政権期を前提に結党・拡大してきた存在であり、政治のフェーズが変わった今、大きな転換を迫られていると感じてきました。

 

党の立場も政治環境も大きく変わる中で、結党時の思いを守るためにこそ、今の状況に合わせて、みずからが変わっていく必要があると考えています。

 

本来、このような大きな決断は、党員や自治体議員の皆さんとの丁寧な議論を経て進めるべきものです。執行部もその手順を想定していたはずです。

しかし、解散・総選挙は待ってくれません。この選挙で手をこまねいている間に、高市自民党や維新が大勝し、立憲民主党が激減してしまえば、取り返しがつかなくなる可能性があります。

今回の決断が選挙でどう評価されるかは、国民の皆さまの判断に委ねられています。

ただ、段階を踏んでいる余裕がない中で、執行部はこのタイミングで挑戦する決断をしたと理解しています。

最後に、私自身、立憲民主党という名前にも、これまでの歩みにも深い愛着と誇りがあります。複雑な思いがないわけではありません。

しかし、政治家としての責任は、自らの感傷を離れ、果たすべき役割に向き合い、最大限の挑戦をすることだと考えています。

これまでのご支援に重ねて感謝申し上げつつ、詫びとご報告とさせていただきます。