藤井聡太名人(23)が26日、静岡市「静岡音楽館AOI」の8階ホールで行われた将棋の第84期A級順位戦最終一斉対局(静岡市「浮月楼」)の大盤解説会に登場した。

午後9時から3回目の解説を行った。全4局(永瀬拓矢九段対佐藤天彦九段、糸谷哲郎八段対近藤誠也八段、中村太地八段対増田康宏八段、豊島将之九段対佐々木勇気八段)はいずれも終盤、もしくは最終盤にさしかかっていた。

激しい攻め合いとなった糸谷対近藤戦は、「一番の佳境」と評した。「近藤八段が勝ちに近づいているんじゃないか思います。うまくチャンスをとらえたんじゃないかという気がします」と話していたが、解説の後半、近藤が97手で糸谷を下した。「戦いながら自玉が寄らない形を作るのが終盤の考え方」という近藤の指し手を褒めていた。

中村対増田戦は、「増田八段が正確な見切りで優勢から勝ちに近づいているといいような局面になっていると思います」と分析していた。指し手が進んで、「増田八段が抜け出したと思います」と語った。

豊島対佐々木戦は終盤、やはり攻め合いとなった。持ち時間各6時間のうち、豊島が残り17分、佐々木2時間3分という局面になった。「私はだいたい17分の方しか経験したことがないんですけど」と観客を笑わせていた。

永瀬対佐藤戦は、藤井の前に福崎文吾九段が解説していた。中央での勢力争いの局面で、先手の永瀬が5筋の最下段に香を打つ手を予測した。常に冗談を飛ばして周囲を笑わせるのが得意のベテラン棋士の話術と棋力に、藤井は「ちゃんと将棋の解説もされているなぁ。さすがのバランス」と爆笑を誘っていた。