レコード決着で地力のある馬が上位を占めた。8R野島崎特別(4歳以上2勝クラス)が1分58秒2の好時計だったこともあり57秒台の決着は必至と思っていたが、そこへメイショウタバルの大逃げ。前半57秒5、後半59秒6では走れる馬も限られてくる。

そんな中、ジャスティンミラノの戸崎騎手は、理想的な4、5番手で1コーナーを回った。前には2歳王者のジャンタルマンタルがいる。「あの馬をマークしていけば」との思いはあったのだろう。残り400メートルで手応えが怪しくなったが、これは余力がなかったのではなく、これまでワンターンしか経験してこなかったための戸惑い。

左ステッキ2発でパートナーを鼓舞すると「もう1度、ハミを取った」(戸崎騎手)。ゴール前は外から追い込んできたコスモキュランダの方へ馬体を寄せて根性を引き出した。厳しい流れに耐えることを要求されながら、それにこたえたジャスティンミラノのポテンシャルは相当高いが、馬を信頼して強気に攻めた戸崎騎手も、また見事だ。

共同通信杯では超スローペースの2番手から、上がり32秒6の瞬発力を繰り出し、今回は高速決着の消耗戦を制した。まったく違う流れでも結果を出せるのが、この馬の強さ。10キロ増と少し余裕を残しながら勝てたことで、ダービーへの期待も膨らんだ。まだ3戦。伸びしろを考えても2冠の可能性はかなり高い。