益田から大井に移籍して21年。14回目の挑戦で東京ダービー初制覇の御神本訓史騎手(41)は「(南関東限定での)最後の年に選ばれてよかった」と話した。

「(今年は)最後の最後まで固定した馬が決まらずだった」。3戦3勝で休養していたミックファイアの騎乗依頼が来たのは羽田盃での復帰が決まってから。重賞初挑戦が1冠目。未知の部分にかけた。「巡り合わせだけはどうにもならない。だから僕はダービーに関しては勝つのではなく、選ばれたと」。当然だが、勝ち馬の鞍上に選ばれなければダービージョッキーにはなれないというわけだ。

「本当に緊張した。断然の1番人気のダービーは心臓によくない」と苦笑い。羽田盃の圧勝で単勝は1・5倍だった。「結構、1番人気にしてもらっているけど、羽田をぶっちぎって、ダービーでこけるというのが最近の定番になってきたから、なんか嫌だなと思いながら臨んでいた」。4回目の1番人気。19年には1・3倍のミューチャリーで2着。「実力だけではなく運もある。選ばれてこその勝利だと思う」。来年からは中央馬も交えた3歳ダートの頂点。節目の年にようやく選ばれた。【牛山基康】