“ゴッドファーザー”ブラックタイド(牡)は24歳の今なお現役だ。大種牡馬ディープインパクトの全兄は今年も5頭の種付けをこなした。子のキタサンブラックから孫のイクイノックスへとサイアーラインを伸ばし、今春には産駒カムニャックがオークスを制して存在感を示した。今回の「ケイバラプソディー ~楽しい競馬~」では、現役時代を知る太田尚樹記者が北海道日高町のブリーダーズスタリオンステーションで近況を取材した。
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北の大地の静けさが、牧草をかみちぎる力強い音を際立たせた。今なおしなやかな筋肉を覆う黒鹿毛は、輝きを失っていない。24歳の現役種牡馬ブラックタイドは“ゴッドファーザー”たる威厳をも感じさせた。
今春も牝馬5頭と交配して、すべて受胎させたという。ブリーダーズSSで08年のスタッドインから寄り添う坂本教文場長は「元気いっぱい。日本の種馬で一番年上かもしれないですけど、種付けにもすごく前向きですよ」と目を細める。
その血は今年も勢いを増すばかりだ。自身は娘カムニャックでオークスを制覇。子のキタサンブラックはダービー馬クロワデュノールを出し、孫のイクイノックスは初年度産駒でセレクトセールの主役を張った。
「同じ金子オーナーの勝負服でG1を勝ってくれてよかったです。やはりサンデーサイレンスの直子のいいところが詰まっています。もっともっとサイアーラインを伸ばしてくれたら」
もともと全弟ディープインパクトにも劣らない大器だった。デビューは僕が入社2年目だった03年。屈腱炎によって大成を阻まれたが、兄弟とも手がけた池江泰郎調教師(当時)は「無事であれば相当活躍したと思うよ。馬体がずばぬけて良かった。血統も馬格も一級品。子供に引き継いでくれるのでは」と未来を見通していた。名伯楽の言葉に間違いはなかった。
父サンデーサイレンスの産駒としては、今や唯一の現役種牡馬となった。母ウインドインハーヘアも34歳で健在。親子ともども、17歳で世を去った弟の分まで生き続けてほしい。坂本場長も「お母さんもまだ若々しいし、1年でも長生きしてもらいたいですね」と願う。競馬界を席巻する一族の血潮は、これからも脈々と受け継がれていく。(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー~楽しい競馬~」)
◆ブラックタイド 2001年3月29日、ノーザンファーム(北海道安平町)生産。父サンデーサイレンス、母ウインドインハーヘア。牡、黒鹿毛。馬主は金子真人ホールディングス。03年にデビューして翌04年にスプリングS制覇。屈腱炎で3歳春から2年以上も休養したが、復帰後もオープンで活躍した。通算成績は22戦3勝、重賞1勝。08年に引退して種牡馬入り。今週の中京記念には産駒エコロヴァルツが出走予定。








