逃げたピューロマジックがはじき出した前半3ハロンは32秒1。いくらG1でもかなり速いペースで、本来なら前の馬がバタバタっと止まり、後ろの馬が差してくる競馬でした。ですが、勝ったルガルは3番手追走から抜け出し、押し切りました。能力があったのが第一ですが、馬場の影響も大きかったとみます。

この開催の中山芝は、総じて時計の速い決着が続きました。加えて、3週目となった前週からCコース(1、2週目はBコース)に変更。その3週目には3歳上1勝クラスで、芝1200メートル1分7秒2という速い決着もありました。

G1なら1分6秒台もあるかとみていましたが、やはり1分7秒0という速い時計で決まりました。ロードカナロアのレコードまであと0秒3です。これだけ馬場がいいと、多少ペースが速くても前の馬がなだれ込めます。いわゆる前が止まらない競馬でした。

もちろん、一番はルガルが強かったからです。前走の高松宮記念は10着でしたが、道悪に加え、骨折もあったようで、悪い条件が重なった結果でした。しっかり立て直した杉山晴厩舎の厩舎力に拍手ですし、気持ちの入った西村淳騎手の騎乗もたたえたいと思います。何より、黒々とした青鹿毛の、G1のパドックでも見ばえするいい馬です。今後の活躍にも期待します。

1番人気サトノレーヴは中団の前、いい位置にいるなと思いましたが、伸び負けました。夏の2重賞とは相手もペースも違いましたし、16キロ増の前走からさらに4キロ増と、若干の太めがあったのかもしれません。

2着トウシンマカオは好位の直後から、菅原明騎手が内枠を生かして内をついたことが奏功しました。3着ナムラクレアは1頭だけ、中団より後ろから飛んできました。あれだけの脚ですから、力は誰もが認めるところ。あとは勝ち運だけでしょう。(JRA元調教師)

ルガルでスプリンターズSを制してファンの声援にガッツポーズで応える西村淳騎手(撮影・丹羽敏通)
ルガルでスプリンターズSを制してファンの声援にガッツポーズで応える西村淳騎手(撮影・丹羽敏通)