英、仏、愛の牡馬クラシックレビューに続き、今週は牝馬のクラシック有力馬の顔ぶれを紹介します。

英国の牝馬クラシック戦線はG1英2000ギニーの翌日の5月1日(日曜)に行われる英1000ギニー(G1、芝直線1600メートル、ニューマーケット)からスタートします。フランスでは5月15日(日曜)に仏1000ギニー(G1、芝1600メートル、パリロンシャン)があり、愛1000ギニー(G1、芝1600メートル、カラ)はG1愛2000ギニーの翌日の5月22日(日曜)に開催。英オークス(G1、芝2410メートル、エプソムダウンズ)は英ダービー前日の6月3日(金曜)、仏オークス(G1、芝2100メートル、シャンティイ)は6月19日(日曜)、愛オークス(G1、芝2400メートル、カラ)は7月16日(土曜)に行われる予定になっています。

英1000ギニーの最有力候補は、昨年のカルティエ賞最優秀2歳牝馬に輝いたインスパイラル(牝3、父フランケル)です。人気種牡馬フランケルと12年の英1000ギニーで2着した母スタースコープとの間に生まれて昨年は4戦全勝。デビューから3戦目となった9月のメイヒルS(G2、芝1600メートル、ドンカスター)でプロスパラスボヤージに3馬身4分の3差をつけて重賞初制覇、10月のフィリーズマイル(G1、芝1600メートル、ニューマーケット)で再びプロスパラスボヤージに2馬身半差をつけて、デビューからすべて1番人気に応えました。英国ブックメーカーによる英1000ギニーの前売りは3・5倍から4・0倍の1番人気。これに続くのはチェヴァリーパークS(G1、芝1200メートル、ニューマーケット)など2戦2勝のテナブリズム(牝3、父カラヴァッジオ)と、同じく2戦2勝のチューズデイ(牝3、父ガリレオ)の2頭です。

テナブリズムは母にG1ジャックルマロワ賞などマイルG1・2勝のイモータルヴァーズ(父ピヴォタル)を持つ良血。父系は祖父のスキャットダディからヨハネスブルクを経てヘネシーにさかのぼる日本でなじみのもの。父譲りのスピードはインスパイラルに負けず劣らずで、2頭の直接対決は春競馬のハイライトになりそうです。

今年初戦の一般戦(芝1600メートル、ネイス)に勝って2戦2勝としたチューズデイは16年のカルティエ賞全欧年度代表馬と最優秀3歳牝馬に輝いた名牝マインディング(父ガリレオ)や愛1000ギニー優勝のエンプレスジョセフィン(父ガリレオ)の全妹。距離が延びる英オークスではチューズデイが5・0倍から6・0倍の1番人気。インスパイラルが6・0倍から8・0倍で2番人気になっています。

最近5年間の英1000ギニー優勝馬のうち、4頭はアイルランドのA・オブライエン厩舎の馬たち(17年ウインター、19年ハーモサ、20年ラブ、21年マザーアース)。今年はテナブリズムとチューズデイが該当しています。

フランス牝馬クラシックは地元A・ファーブル厩舎のラクレット(牝3、父フランケル)とゼリー(牝3、父ウートンバセット)、短距離向きのマラヴァス(牝3、父メーマス)、それに距離が延びて良さそうなアガヴェ(牝3、父ドバウィ)の4頭を中心に運ぶものとみられています。

ラクレットは2戦2勝。2戦目のシャンティイ競馬場の芝1600戦は2着に4馬身差の楽勝でした。英国のブックメーカーは、これを仏1000の1番人気にしています。

ゼリーは7戦4勝、2着3回。2歳時はマルセルブーサック賞(G1、芝1600メートル、パリロンシャン)に優勝、今年初戦のアンプリュダンス賞(G3、芝1400メートル、ドーヴィル)はマラヴァスの2着でした。道悪の鬼です。

マラヴァスは2歳時5戦2勝、2着2回。今年初戦となった4月7日のアンプリュダンス賞でゼリーを2着に退けて、幸先のいいスタートを切りました。

アガヴェは昨年亡くなったK・アブデュラ殿下の競馬法人ジャドモンドファームの生産所有馬で、凱旋門賞2勝のエネイブルのめい。3戦3勝で、前走、4月2日のペネロープ賞(G3、芝2100メートル、サンクルー)ではO・ペリエ騎手で直線強襲を成功させています。

仏1000ギニーの人気はラクレット、マラヴァス、ゼリー、アガヴェの順。距離が延びればアガヴェが頭角を現してきそうです。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2022年4月14日現在

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