今年の欧州3歳馬はレベルが高いと評判です。中でも30日のG1英2000ギニーで本命の座にあるネイティブトレイル(牡3、父オアシスドリーム、英C・アップルビー厩舎)への期待は相当高いようです。


ここまで5戦全勝。2歳戦で無敵の快進撃を続けるような馬はおおむね早熟で、シーズンオフの間にさらなる成長を遂げる馬はそう多くはないのですが、今年の初戦で前哨戦となったG3クレイヴンS(ニューマーケット、芝1600メートル)の勝ちっぷりは鮮やか。成長をうかがわせる走りは多くのファンの信頼を得たようで、英2000ギニーの前売りはクレイヴンS前の6・0倍から一気に2・0倍へと上昇しました。日本ではあまりなじみのない父のオアシスドリームですが、その産駒はナッソーS3勝などG1・6勝した名牝ミッデイを筆頭に、18頭ものG1ウイナーを送り出しています。今年22歳になったオアシスドリームには、すでに複数の後継種牡馬が誕生していますが、ネイティヴトレイルが、その最高傑作であることは間違いなさそうです。鞍上はゴドルフィンの主戦ウィリアム・ビュイック騎手です。


これに次ぐのがネイティブトレイルの僚馬で3戦2勝のコロエバス(牡3、父ドバウィ、C・アップルビー厩舎)と、3戦不敗のアイルランド調教馬ルクセンブルク(牡3、父キャメロット、愛A・オブライエン厩舎)の2頭です。


ドバウィ産駒のコロエバスは、血統からマイルから中長距離指向が読み取れます。母の兄にはドバイワールドCを連覇したサンダースノーがいて、このマイル戦で好成績を挙げることができれば、先行きが楽しみになってきます。鞍上はジェームス・ドイル騎手。


ルクセンブルクはデビューから3戦目で向かったG1フューチュリティトロフィーS(ドンカスター、芝1600メートル)では、差し切り勝ちで不敗のままシーズンを終えました。父のキャメロットは3歳時に英2000ギニーから英ダービー、そして愛ダービーまでG1を3連勝していて、こちらは2400メートル向き。ここを勝つようなら英2冠の可能性が高まってきます。


以下は伏兵馬です。ドバウィレジェンド(牡3、父ドバウィ、英H・パーマー厩舎)は2歳時4戦1勝でしたが、ネイティブトレイルの2着だたG1デューハーストSで披露したスピードに良いものがありました。まだ粗削りですが、その分、上積みがありそうな馬です。鞍上はトム・マーカンド騎手。


パーフェクトパワー(牡3、父アルダッド、英R・ファーフェイ厩舎)は2歳時に6戦4勝、今年初戦のG3グリーナムS(ニューベリー、芝1400メートル)は3番手からしぶとく伸びて優勝。G1ウイナーのエンジェルブルーを3着に退けています。父のアルダッドはデインヒル系の新鋭種牡馬。フランスのクリフトス・スミヨン騎手が手綱を握ります。


ポイントロンズデール(牡3、父オーストラリア、愛A・オブライエン厩舎)は2歳時に5戦4勝。不敗で臨んだG1ウ゛ィンセントオフ゛ライエナナショナルSではネイティブトレイルにかわされて3馬身半差の2着に敗れましたが、その先行力は非凡。同厩舎のルクセンブルクに主戦のライアン・ムーア騎手が騎乗するため、こちらにはランフランコ・デットーリ騎手が騎乗します。


もう1頭挙げれば、2戦2勝と未知の魅力を秘めるチェックアンドチャレンジ(牡3、英W・ナイト厩舎)でしょう。父は愛1000ギニー馬のジェットセッティングなどを送るファストカンパニー(その父デインヒルダンサー)で鞍上はダニエル・ダドホープ騎手。ここは大きな試金石ですが、レイシングポストのAI予想「PREDICTOR」は1着にネイティブトレイル、2着にこの馬を予想しています。



英2000ギニー(芝直線1600メートル)※数字は馬番


1 バークシャーシャドー 

2 バウンドレスオーシャン

3 チェックアンドチャレンジ △

4 コロエバス ○ 

5 ドバウィレジェンド △

6 エイドン

7 ライトインファントリー

8 ルサイル

9 ルクセンブルク ▲

10ネイティヴトレイル ◎

11 パーフェクトパワー △

12 ポイントロンズデール △

13 ロイヤルパトロネージ

14 タカリブベイ

15 ザウィザードオブアイ


(ターフライター奥野庸介)

※競走成績などは2022年4月29日現在

最近読んだ本(競馬関連除く)。まったく脈絡なし(笑い)
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