<セレクトセール2022>◇初日◇1歳馬セッション◇11日◇北海道・苫小牧市
国内最大の競走馬セリ「セレクトセール2022」は初日の1歳セリが行われ、233頭が上場し222頭が落札。総売上は128億7000万円、落札率は95.3%、落札平均額は5797万円を記録し、いずれも過去最高額をマークした。この日の最高落札額はモシーンの2021(父モーリス)。20年に取引されたシーヴの19(父ディープインパクト)の5億1000万円に次ぐ1歳部門の歴代2位となる4億5000万円で落札された。
吉田勝己氏の総括
セリというのは、販売申込者にとっても、購買者にとって真剣勝負の場。販売申込者はより良い上場馬を揃えるために血統レベルを上げ、また、飼養管理技術も向上させている。購買者の方々が、そういった事を高く評価いただいたことが今回の結果になったと思う。今年は海外からの購買者を含め、新しい購買者の方に多く参加いただき、結果的にセール終了までの時間がかかってしまったが、数字的には一言でいえば、今日のセリは驚き以外の何物でもない。このセリが盛り上がると、海外のセリも含め、多くのセリにも良い影響を与えてきた。そういう意味では業界全体にとってよりセリが出来たと思う。
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243番 リッスンの2021(牡、父ドゥラメンテ)
初日のトリを務めるのはドゥラメンテ産駒。姉タッチングスピーチはローズS勝ち、兄サトノルークスは菊花賞2着など、きょうだいのセレクトセール上場馬はすべて億超え。一声目は4000万円のコール。徐々に値を上げたものの億には届かず、8200万円で田畑利彦氏が落札。
239番 ギエムの2021(メス、父アルアイン)
父は当世代が初年度産駒。1歳上の兄は昨年セレクトセール2・6億円で落札。1200万円からスタートし、2200万円で鈴木美江子氏が落札。
201番 ルーヴインペリアルの2021(牡、父スワーヴリチャード)
ジャパンC、大阪杯とG1・2勝馬の父は1歳世代が初年度産駒。1800万円からスタートし、5600万円で加藤裕司氏が落札。
170番 ユードントラヴミーの2021(牡、父オルフェーヴル)
164番 ラーゴブルーの2021(牡、父ニューイヤーズデイ)
父はBCジュヴェナイル勝ち。日本では1歳世代が初年度産駒。母はダートグレード勝ち馬で、近親にデニムアンドルビー。2500万円からスタートし、9400万円で金子真人ホールディングス(株)が落札。
159番 クリスティザーの2021(メス、父Gun Runner)
父はBCクラシック制覇など米年度代表馬で今年唯一の上場馬。1000万円からスタートし、3500万円で山住勲氏が落札。
154番 ベッラレイアの2021(牡、父アルアイン)
G1・2勝馬の父は1歳世代が初年度産駒。母はオークス2着、フローラS勝ち馬。1500万円からスタートし、3800万円で鈴木邦英氏が落札。
146番 ペディクラリスの2021(牡、父ロードカナロア)
母は現役時4勝。TCK女王盃3着などダートで活躍。2500万円からスタートし、1億円ちょうどでNARVICK INTERNATIONAL INC.が落札。
NARVICK INTERNATIONAL INC. エマニュエル・ド・サルー氏
「世界を股にかけた競馬を使っているオーナーから依頼されて、今日はロードカナロアの仔を探していました。彼は世界中の競馬、そして血統に詳しいオーナーなのでロードカナロアのことはもちろん知っているのです。この馬は、今日上場されているロードカナロア産駒では1番だと思いました。コンフォメーションはもちろん、動きが良い。優れたロードカナロア産駒の典型的なタイプだと思います」
138番 パールサイドの2021(メス、父ハーツクライ)
ハーツクライ最終世代の上場馬ラストが登場。母はスペイン2歳牝馬チャンピオン。2000万円からスタートし、6800万円で谷掛龍夫氏が落札。
133番 ベルルミエールの2021(牡、父レイデオロ)
母は現役時4勝。阪神牝馬S2着など重賞でも好走。3500万円からスタートし、9400万円で今年のダービーオーナー(株)キーファーズが落札。
131番 オーサムフェザーの2021(牡、父サトノダイヤモンド)
126番 トップデサイルの2021(牡、父エピファネイア)
125番 チェリーコレクトの2021(メス、父キズナ)
母は伊オークス馬。1歳上の兄は昨年セレクトセール1億500万円で落札。2500万円からスタートし、7800万円で藤田晋氏が落札。
112番 オーサムウインドの2021(牡、父リオンディーズ)
祖母はBCジュベナイルフィリーズ勝ちなど米2歳牝馬チャンピオン。2000万円からスタートも着実に値を上げ、1億500万円で金子真人ホールディングス(株)が落札。
111番 メジロツボネの2021(牡、父ハーツクライ)
父ハーツクライの最終世代5頭目の上場馬。兄は香港ヴァーズ2勝のグローリーヴェイズ。4000万円からスタートし、7800万円で(同)DMM.comが落札。
109番 ソラリアの2021(牡、父キズナ)
姉にジャパンCなどG1で2着3度のカレンブーケドール。4000万円からスタートし、6400万円で(株)ライフハウスが落札。
107番 ブロンクスシルバーの2021(牡、父エピファネイア)
姉に伏竜S勝ちなどダート3戦3勝のデリカダ。5000万円からスタートし、この日20頭目の億超えとなる1億2000万円で廣崎利洋HD(株)が落札。
105番 ラリズの2021(メス、父シュヴァルグラン)
父は1歳世代が初年度産駒。兄に香港C2着、重賞2勝馬のヒシイグアス。2000万円からスタートし、億にはわずかに届かなかったが、9800万円で兄も所有する阿部雅英氏が落札。
104番 マキシマムドパリの2021(牡、父ブリックスアンドモルタル)
初年度産駒の父はBCターフ制覇など19年米年度代表馬。母は牝馬重賞2勝馬。4500万円からスタートし、1億3500万円で廣崎利洋HD(株)が落札。
98番 ファタルベーレの2021(牡、父ハーツクライ)
96番 ジェイウォークの2021(牡、父ドゥラメンテ)
母はBCジュヴェナイルフィリーズ勝ちなど米2歳牝馬チャンピオン。この日2番目タイの7000万円からスタートし、順調に値は上がり3億円の大台でビット。ツーワンレーシングが落札。
87番 アルビアーノの2021(牡、父キズナ)
81番 パンデリングの2021(メス、父エピファネイア)
近親にG1・8勝、年度代表馬2度のアーモンドアイ。3000万円からスタートも値が進み、1億4000万円でビット。(同)DMM.comが3頭目の億超え落札。
DMMドリームクラブ粟津浩樹レーシングマネジャー
「この馬は、今回のセールで牝馬の中では1番馬だと評価していました。母のパンデリングはアーモンドアイと1歳違いの半姉。日本競馬史の中でもトップクラスの馬を輩出したファミリーの血を手に入れたかったので、嬉しい。ほっとしています。生産牧場の評価も高い馬だと聞いていますので、再来年のクラシックを狙えるような馬に育っていって欲しいと思います」
76番 モシーンの2021(牡、父モーリス)
母は豪G1・4勝の名牝。姉に重賞3勝馬プリモシーン。一声目からいきなり2億円のコール。その後も値が上がり続け、4億5000万円で(株)ダノックスが落札。
71番 デックドアウトの2021(牡、父ドゥラメンテ)
64番 アレイヴィングビューティの2021(牡、父ハーツクライ)
ハーツクライ最終世代の1頭。母は米G1勝ち馬。5000万円からスタートし、こちらも億超え。1億7000万円で金子真人ホールディングス(株)が落札。
63番 シーヴの2021(牡、父ドゥラメンテ)
兄にセレクト1歳セール史上最高額5・1億円をたたき出したショウナンアデイブ。5000万円からスタートし、順調に億を突破。2億2000万円で兄と同じく国本哲秀氏が落札。
国本哲秀氏
「馬主にとって競走馬は夢なのです。この馬は(一昨年のセレクトセールで購入した)ショウナンアデイブとは少しタイプが違うと思いますが、デビューするまで、そして引退するまでに私に夢、ロマンを感じさせてくれる馬だと思って購入しました。早ければ、来年にはデビューしてくれると思いますので、とても楽しみにしています」
58番 コーステッドの2021(メス、父ダイワメジャー)
兄に今年の共同通信杯勝ち、皐月賞・ダービー4着のダノンベルーガ。4000万円からスタートし、この日10頭目の億超え。さらに値を伸ばし2億1000万円でビット。藤田晋氏は3頭目の億超え馬落札。
55番 ホームカミングクイーンの2021(牡、父モーリス)
47番 スパニッシュクイーンの2021(牡、父ハーツクライ)
最終世代ハーツクライ産駒の2頭目。母はアメリカンオークス馬。5000万円からスタートし、順調に値が上がり、1億7500万円でビット。藤田晋氏がこの日2頭目の億超え落札。
46番 ラルケットの2021(牡、父レイデオロ)
兄にマイルCS勝ちステルヴィオ。1歳上の姉は6月東京で新馬勝ち。7000万円スタートから、2声目で一気に1億2000万円のコール。その後も値を上げ2億2000万円で金子真人ホールディングス(株)が落札。
42番 インクルードベティの2021(牡、父ハーツクライ)
最終世代ハーツクライ産駒のトップバッター。母は米G1勝ち馬。5000万円で(株)キャロットクラブが落札。
36番 ウィキッドリーパーフェクトの2021(牡、父サトノダイヤモンド)
34番 フォースタークルックの2021(牡、父ドゥラメンテ)
32番 サボールアトリウンフォの2021(牡、父キズナ)
母はチリの年度代表馬、3歳牝馬チャンピオン。9200万円で「ウマ娘」藤田晋氏がこの日最初の落札。
26番 オメガフレグランスの2021(牡、父エピファネイア)
兄に東京大賞典4連覇のオメガパフューム。3500万円からスタートし、8200万円で小笹芳央氏が落札。
23番 ジェットセッティングの2021(牡、父Frankel)
日本でソウルスターリング、モズアスコットのG1馬を輩出したFrankel産駒。母は愛1000ギニー勝ち馬。7000万円からスタートし、順調に1億円を突破。1億5500万円でアメリカンターフが落札。
16番 ウイングステルスの2021(牡、父サトノダイヤモンド)
母の産駒に愛オークス、オペラ賞勝ち馬のカヴァートラブ。5000万円からスタートし、6800万円で父のオーナーでもある里見治氏が落札。
14番 リリーズキャンドルの2021(メス、父ロードカナロア)
母は仏2歳牝馬G1勝ち馬。近親に国内外でG1・4勝の年度代表馬リスグラシュー。3000万円からスタートし、8000万円で野田みづき氏が落札。
11番 ウィープノーモアの2021(牡、父ドゥラメンテ)
母は米ダートG1勝ち馬。5000万円からスタートし、1億円でビット。(同)DMM.comがこの日2頭目の億超え馬を落札。
9番 アウェイクの2021(牡、父エピファネイア)
近親に朝日杯FS勝ち馬ゴスホークケン、昨年クラシック3冠全て掲示板内のステラヴェローチェ。5000万円からスタートし、着実に値が上がり1億円を突破。声がけは止まらず2億5000万円でビット。金子真人ホールディングス(株)が落札。
8番 メジロシャレードの2021(牡、父ルーラーシップ)
兄は青葉賞勝ち馬ショウナンラグーン。母はマンハッタンカフェ×メジロドーベルの「ウマ娘」配合。2000万円からスタートし、7000万円で池谷誠一氏が落札。
6番 ジャドールの2021(牡、父ブリックスアンドモルタル)
父はBCターフ制覇など19年米年度代表馬。1歳世代が初年度産駒。2500万円からスタートし、5200万円で(株)Gリビエール・レーシングが落札。
1番 サマーハの2021(牡、父リアルスティール)
きょうだいはG2・3勝シャケトラなど中央デビューした7頭中6頭が勝ち上がり。コール一声目は5000万円からスタート。活発な声がけが続き早々と1億円突破。1億8000万円で(同)DMM.comが落札。
DMMドリームクラブ粟津浩樹レーシングマネジャー
「これまでセールを支えてきた種牡馬産駒がいなくなり、購買者の中に様子見ムードがあると思っていましたので早めに勝負しました。リアルスティールの牡馬が少なかったことに加え、以前から欲しいと思っていたサマーハの仔だけに、この馬はどうしても欲しかった1頭です。長い距離を走ってくれそうな血統なので、矢作先生と一緒に、この馬で夢を見たいと思います」
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