「何だかんだ天才なんです」。木村哲也調教師(50)は天皇賞・秋の前にイクイノックスをこう表現した。手前替えなどの課題を抱えながら、実戦では常に結果を出す。軽快な脚さばきや推進力のあるフットワークは卓越している。

師にその真意を改めて問うと「簡単ではないけど、簡単に勝っちゃうところですよね。藤沢(和)先生も『例え調教を間違えても、勝てる馬はG1を勝っちゃう』とおっしゃっていました。異次元です。僕は今まで管理したことはありません」。

多数の素質馬、有力馬をそろえ、ステルヴィオやジオグリフなどでG1勝ちを経験している師にそう言わしめた。キャリアわずか6戦にして現役最強を証明。“天才少年”はトレーナーをさらなる高みに連れて行くに違いない。