札幌競馬場で“夏の風物詩”「ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」が26、27日の2日間計4レースで行われ、岩田望来騎手が総合優勝を果たした。未勝利ながら2着1回、3着2回と着実にポイントを稼ぎ、初出場で初優勝を成し遂げた。1ポイント差の2位に豪の女性騎手キング、さらに1ポイント差で連覇を狙った武豊騎手が3位に入った。
◆総合順位◆
順位 | 名前 | 1戦 | 2戦 | 3戦 | 4戦 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 岩田望来 | 15 | 6 | 20 | 15 | 56 |
2 | キング | 30 | 20 | 4 | 1 | 55 |
3 | 武 豊 | 1 | 30 | 15 | 8 | 54 |
4 | ヴェロン | 8 | 4 | 30 | 2 | 44 |
5 | バデル | 1 | 10 | 1 | 30 | 42 |
6 | ルメール | 12 | 1 | 1 | 20 | 34 |
7 | リスポリ | 20 | 1 | 8 | 4 | 33 |
8 | 横山武史 | 4 | 15 | 1 | 10 | 30 |
9 | 坂井瑠星 | 10 | 1 | 12 | 1 | 24 |
10 | 戸崎圭太 | 6 | 8 | 6 | 1 | 21 |
11 | 川田将雅 | 1 | 12 | 2 | 1 | 16 |
11 | モリス | 2 | 1 | 1 | 12 | 16 |
13 | 宮川 実 | 1 | 1 | 10 | 1 | 13 |
14 | モレイラ | 1 | 2 | 1 | 6 | 10 |
表彰式
岩田望来が史上初の親子優勝!1~3位2点差の大激戦は05年制覇の父康誠と同じ
キング1点差で女性騎手初の優勝逃すも笑顔「また日本に来てJRA騎手と勝負したい」
連覇狙った武豊は3位「ワールド“オールド”スターの面目保った」
第4戦 芝1800メートル(3歳上2勝クラス)
第3戦 ダート1700メートル(3歳上2勝クラス)
仏の女性騎手マリー・ヴェロンが来日初V「夢のような気持ち」ボード役に父
第2戦 芝2000メートル(3歳上3勝クラス)
森且行が武豊から流し3連単20万馬券的中!WASJ第2戦プレゼンター、トークショーも
第1戦 芝1200メートル(3歳上2勝クラス)
WASJ第1戦でレイチェル・キング騎手がJRA初勝利「最高の気持ち。有頂天になっています」
開会式
ウエルカムセレモニー
黒ドレスのマリー・ヴェロンが日本人女性騎手にエール「夢を信じること」
白ジャケットの女性騎手レイチェル・キングは「豪州のために頑張る」
武豊笑い誘うマイクパフォ「出るたびに“ワールドオールドスター”と…」
出場14騎手プロフィル
JRA選抜
戸崎圭太(とさき・けいた) 1980年(昭55)7月8日生まれ。43歳。98年に大井競馬でデビューし、08年から5年連続で南関東リーディング。13年にJRAに移籍した。昨年JRA賞MVJを受賞し、今年はソングラインでG1・2勝。JRA通算1405勝、うちG1・11勝。WASJ出場は8回目。
川田将雅(かわだ・ゆうが) 1985年(昭60)10月15日生まれ。37歳。04年デビュー。16年ダービー初制覇。昨年は最多勝利騎手、最高勝率騎手、最多賞金獲得騎手を獲得し、史上4人目の騎手大賞に輝いた。今年日本人初のドバイワールドC制覇。JRA通算1929勝、G1・23勝。WASJ出場6回目、19年優勝。
横山武史(よこやま・たけし) 1998年(平10)12月22日生まれ。24歳。17年デビュー。20年に史上最年少で関東リーディング獲得。21年はエフフォーリアとのコンビで皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念制覇。今年はソールオリエンスで皐月賞制覇。JRA通算510勝、うちG1・6勝。WASJ出場は2年連続2回目。
武豊(たけ・ゆたか) 1969年(昭44)3月15日生まれ。54歳。87年デビュー。昨年ドウデュースで史上最多6度目、史上最年長でダービーを制覇。今年前人未到のJRA通算4400勝を達成し、大阪杯も勝利。JRA通算4446勝、うちG1・80勝。WASJ出場は27回目で、昨年30年ぶり2度目の優勝を飾る。
クリストフ・ルメール 1979年5月20日生まれ。44歳。フランス出身で99年デビュー。15年にJRAに移籍し、18年には215勝を挙げてJRA年間最多勝記録を更新した。今年はイクイノックスでドバイシーマC、宝塚記念を制覇している。JRA通算1732勝、うちG1・45勝。WASJ出場は8回目、18年に優勝。
岩田望来(いわた・みらい) 2000年(平12)5月31日生まれ。23歳。兵庫県出身、父は岩田康騎手で19年デビュー。昨年京都牝馬S(ロータスランド)で重賞初勝利を決め、自身初の年間100勝を達成した。JRA通算382勝、うち重賞4勝。今年早くも78勝を挙げており、関西リーディング3位。WASJは初出場。
坂井瑠星(さかい・りゅうせい) 1997年(平9)5月31日生まれ。26歳。父は大井の坂井英光元騎手。16年デビューで、関西所属騎手新人賞受賞。20年ジャパンダートダービーでJpn1初制覇。昨年秋華賞でJRA・G1初制覇。今年はフェブラリーSを優勝。JRA通算363勝、G1・3勝。WASJ初出場。
WAS選抜
アレクシス・バデル(香港) 1989年12月5日生まれ。33歳。フランス出身。母はフランス初の女性調教師で、父は元騎手。15年にはスミヨン騎手に次ぐアガ・カーン殿下の専属騎手に。20~21年シーズンから香港に拠点を移し、ウェリントンなどでG1制覇。WASJ初出場、日本での騎乗も初めて。
レイチェル・キング(オーストラリア) 1990年7月31日生まれ。33歳。英国出身。14年にオーストラリアへ渡り、18年スプリングチャンピオンSでG1初制覇。昨年は160年の歴史があるG1・シドニーCで、女性騎手として初めて勝利を飾った。WASJ初出場、日本での騎乗も初。
ジョアン・モレイラ(ブラジル) 1983年9月26日生まれ。39歳。ブラジル出身。00年デビューし、世界各国でビッグタイトルを制している名手。JRA通算120勝で、18年エリザベス女王杯(リスグラシュー)をはじめ重賞4勝(G1・1勝)。WASJは15年優勝。出場は5年ぶり5回目。
ルーク・モリス(英国) 1988年10月20日生まれ。34歳。祖父や叔父、いとこが騎手。05年に初勝利、10年にG1初制覇。21年からアルピニスタでG1・6連勝で凱旋門賞を制した。英国で最も忙しい騎手として知られ、今年1月には通算2000勝を達成。WASJ初出場、日本での騎乗も初めて。
ウンベルト・リスポリ(米国) 1988年8月31日。34歳。イタリア出身。父親が元騎手で、05年に同国でデビュー。12年からフランスで騎乗し、19年に米国へ移籍しカリフォルニアが主戦場。11年に日本で初騎乗し高松宮記念(キンシャサノキセキ)を制覇、重賞3勝を挙げた。JRA通算40勝。WASJは初出場。
マリー・ヴェロン(フランス) 1999年2月8日生まれ。24歳。フランス出身で16年にデビュー。20年に年間84勝を挙げ、ミカエル・ミシェル騎手が持つ女性の年間最多勝記録を更新。昨年ロワイヤルオーク賞でG1初制覇、フランス人女性騎手初の仏G1制覇を達成。WASJ初出場、日本での騎乗も初めて。
宮川実(みやがわ・みのる) 1982年(昭57)2月10日生まれ。41歳。99年に高知でデビュー。09年落馬事故で左目を失明するも翌年復帰。昨年は地方通算2000勝を達成、自身初となる高知リーディングも獲得。21年と22年には勝率全国1位で、2年連続NARグランプリ最優秀勝率騎手賞を受賞。WASJ初出場。
◆WASJ(ワールドオールスタージョッキーズ) 87年から14年までワールドスーパージョッキーズシリーズとして、秋にJRAの各地の競馬場で行われていた。15年から現在の名称、夏の札幌開催になり、チーム対抗(JRA対海外&地方)も開始。出走馬はハンデキャッパーによりA~D評価にグループ分けし、各騎手の騎乗馬が公平になるように振り分けられる。個人戦(優勝賞金300万円)に加え、出場騎手をJRA選抜とWAS(外国騎手・地方競馬代表)選抜に分け、チーム合計得点を競う団体戦(優勝チームに賞品)も行う。全4戦で各レースともに1着30点、2着20点、3着15点、4着12点、5着10点、6着8点、7着6点、8着4点、9着2点、10着以下1点が与えられる。