札幌競馬場で“夏の風物詩”「ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」が26、27日の2日間計4レースで行われ、岩田望来騎手が総合優勝を果たした。未勝利ながら2着1回、3着2回と着実にポイントを稼ぎ、初出場で初優勝を成し遂げた。1ポイント差の2位に豪の女性騎手キング、さらに1ポイント差で連覇を狙った武豊騎手が3位に入った。

2023WASJで初出場初優勝を飾った岩田望騎手(中)。左は2位キング騎手、右は3位武豊騎手
2023WASJで初出場初優勝を飾った岩田望騎手(中)。左は2位キング騎手、右は3位武豊騎手

◆総合順位◆


順位名前1戦2戦3戦4戦合計
1岩田望来156201556
2キング30204155
3武 豊13015854
4ヴェロン8430244
5バデル11013042
6ルメール12112034
7リスポリ2018433
8横山武史41511030
9坂井瑠星10112124
10戸崎圭太686121
11川田将雅1122116
11モリス2111216
13宮川 実1110113
14モレイラ121610

表彰式

岩田望来が史上初の親子優勝!1~3位2点差の大激戦は05年制覇の父康誠と同じ

キング1点差で女性騎手初の優勝逃すも笑顔「また日本に来てJRA騎手と勝負したい」

連覇狙った武豊は3位「ワールド“オールド”スターの面目保った」

2023WASJで初出場初優勝を飾った岩田望騎手(撮影・村野早祐)
2023WASJで初出場初優勝を飾った岩田望騎手(撮影・村野早祐)
2023WASJで初出場初優勝を飾った岩田望騎手(撮影・村野早祐)
2023WASJで初出場初優勝を飾った岩田望騎手(撮影・村野早祐)
カメラにサインパフォーマンスをする岩田望騎手(撮影・村野早祐)
カメラにサインパフォーマンスをする岩田望騎手(撮影・村野早祐)
2023WASJで2位となったR・キング騎手(撮影・村野早祐)
2023WASJで2位となったR・キング騎手(撮影・村野早祐)
WASJで3位となった武豊騎手(撮影・村野早祐)
WASJで3位となった武豊騎手(撮影・村野早祐)
WASJでチーム優勝を飾ったJRA選抜(撮影・村野早祐)
WASJでチーム優勝を飾ったJRA選抜(撮影・村野早祐)

第4戦 芝1800メートル(3歳上2勝クラス)

WASJ第4戦を制したフェステスバントとA・バデル騎手(左)(撮影・村野早祐)
WASJ第4戦を制したフェステスバントとA・バデル騎手(左)(撮影・村野早祐)
WASJ第4戦を制しJRA初勝利を飾ったA・バデル騎手(右)(撮影・村野早祐)
WASJ第4戦を制しJRA初勝利を飾ったA・バデル騎手(右)(撮影・村野早祐)

第3戦 ダート1700メートル(3歳上2勝クラス)

仏の女性騎手マリー・ヴェロンが来日初V「夢のような気持ち」ボード役に父

WASJ第3戦を制したナチュラルハイとM・ヴェロン騎手(撮影・村野早祐)
WASJ第3戦を制したナチュラルハイとM・ヴェロン騎手(撮影・村野早祐)
WASJ第3戦を制し、JRA初勝利を飾ったM・ヴェロン騎手(撮影・村野早祐)
WASJ第3戦を制し、JRA初勝利を飾ったM・ヴェロン騎手(撮影・村野早祐)
ファンにサインするM・ヴェロン騎手(撮影・村野早祐)
ファンにサインするM・ヴェロン騎手(撮影・村野早祐)

第2戦 芝2000メートル(3歳上3勝クラス)

森且行が武豊から流し3連単20万馬券的中!WASJ第2戦プレゼンター、トークショーも

WASJ第2戦を制したマイネルクリソーラと武豊騎手(撮影・村野早祐)
WASJ第2戦を制したマイネルクリソーラと武豊騎手(撮影・村野早祐)
ゲストプレゼンターの森且行(左)と笑顔で握手する武豊騎手(撮影・村野早祐)
ゲストプレゼンターの森且行(左)と笑顔で握手する武豊騎手(撮影・村野早祐)

第1戦 芝1200メートル(3歳上2勝クラス)

WASJ第1戦でレイチェル・キング騎手がJRA初勝利「最高の気持ち。有頂天になっています」

WASJ第1戦を制したドーバーホークとキング騎手(撮影・村野早祐)
WASJ第1戦を制したドーバーホークとキング騎手(撮影・村野早祐)
WASJ第1戦を制しJRA初勝利を飾ったR・キング騎手(左)(撮影・村野早祐)
WASJ第1戦を制しJRA初勝利を飾ったR・キング騎手(左)(撮影・村野早祐)

開会式

ファンの声援に応える武豊騎手(撮影・村野早祐)
ファンの声援に応える武豊騎手(撮影・村野早祐)
ファンの声援に応えるマリー・ヴェロン騎手(撮影・村野早祐)
ファンの声援に応えるマリー・ヴェロン騎手(撮影・村野早祐)
2023WASJに出場する14人の名手(撮影・村野早祐)
2023WASJに出場する14人の名手(撮影・村野早祐)

ウエルカムセレモニー

黒ドレスのマリー・ヴェロンが日本人女性騎手にエール「夢を信じること」

白ジャケットの女性騎手レイチェル・キングは「豪州のために頑張る」

隻眼騎手の宮川実はJRA初騎乗「感謝の気持ちでいっぱい」

武豊笑い誘うマイクパフォ「出るたびに“ワールドオールドスター”と…」

ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー 笑顔で会見するマリー・ヴェロン騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー 笑顔で会見するマリー・ヴェロン騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー 笑顔で会見するレイチェル・キング騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー 笑顔で会見するレイチェル・キング騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー 笑顔で「ハートマーク」をつくるレイチェル・キング騎手(左)とマリー・ヴェロン騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー 笑顔で「ハートマーク」をつくるレイチェル・キング騎手(左)とマリー・ヴェロン騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー 笑顔で登場するアレクシス・バデル騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー 笑顔で登場するアレクシス・バデル騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー 笑顔で登場するジョアン・モレイラ騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー 笑顔で登場するジョアン・モレイラ騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー レースの抱負を語るルーク・モーリス騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー レースの抱負を語るルーク・モーリス騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー レースの抱負を語る宮川実騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー レースの抱負を語る宮川実騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー ステージであいさつする武豊騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー ステージであいさつする武豊騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー ステージで笑顔の左から横山武史騎手、武豊騎手、クリストフ・ルメール騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー ステージで笑顔の左から横山武史騎手、武豊騎手、クリストフ・ルメール騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー レースへ向け意気込む岩田望来騎手(左)と坂井瑠星騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー レースへ向け意気込む岩田望来騎手(左)と坂井瑠星騎手(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー レースに向け意気込む左からアレクシス・バデル、レイチェル・キング、ジョアン・モレイラ、ルーク・モリス、ウンベルト・リスポリ、マリー・ヴェロン、宮川実、戸崎圭太、川田将雅、横山武史、武豊、クリストフ・ルメール、岩田望来、坂井瑠星(撮影・黒川智章)
ワールドオールスタージョッキーズ2023 ウエルカムセレモニー レースに向け意気込む左からアレクシス・バデル、レイチェル・キング、ジョアン・モレイラ、ルーク・モリス、ウンベルト・リスポリ、マリー・ヴェロン、宮川実、戸崎圭太、川田将雅、横山武史、武豊、クリストフ・ルメール、岩田望来、坂井瑠星(撮影・黒川智章)

出場14騎手プロフィル

JRA選抜

戸崎圭太(とさき・けいた) 1980年(昭55)7月8日生まれ。43歳。98年に大井競馬でデビューし、08年から5年連続で南関東リーディング。13年にJRAに移籍した。昨年JRA賞MVJを受賞し、今年はソングラインでG1・2勝。JRA通算1405勝、うちG1・11勝。WASJ出場は8回目。

川田将雅(かわだ・ゆうが) 1985年(昭60)10月15日生まれ。37歳。04年デビュー。16年ダービー初制覇。昨年は最多勝利騎手、最高勝率騎手、最多賞金獲得騎手を獲得し、史上4人目の騎手大賞に輝いた。今年日本人初のドバイワールドC制覇。JRA通算1929勝、G1・23勝。WASJ出場6回目、19年優勝。

横山武史(よこやま・たけし) 1998年(平10)12月22日生まれ。24歳。17年デビュー。20年に史上最年少で関東リーディング獲得。21年はエフフォーリアとのコンビで皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念制覇。今年はソールオリエンスで皐月賞制覇。JRA通算510勝、うちG1・6勝。WASJ出場は2年連続2回目。

武豊(たけ・ゆたか) 1969年(昭44)3月15日生まれ。54歳。87年デビュー。昨年ドウデュースで史上最多6度目、史上最年長でダービーを制覇。今年前人未到のJRA通算4400勝を達成し、大阪杯も勝利。JRA通算4446勝、うちG1・80勝。WASJ出場は27回目で、昨年30年ぶり2度目の優勝を飾る。

クリストフ・ルメール 1979年5月20日生まれ。44歳。フランス出身で99年デビュー。15年にJRAに移籍し、18年には215勝を挙げてJRA年間最多勝記録を更新した。今年はイクイノックスでドバイシーマC、宝塚記念を制覇している。JRA通算1732勝、うちG1・45勝。WASJ出場は8回目、18年に優勝。

岩田望来(いわた・みらい) 2000年(平12)5月31日生まれ。23歳。兵庫県出身、父は岩田康騎手で19年デビュー。昨年京都牝馬S(ロータスランド)で重賞初勝利を決め、自身初の年間100勝を達成した。JRA通算382勝、うち重賞4勝。今年早くも78勝を挙げており、関西リーディング3位。WASJは初出場。

坂井瑠星(さかい・りゅうせい) 1997年(平9)5月31日生まれ。26歳。父は大井の坂井英光元騎手。16年デビューで、関西所属騎手新人賞受賞。20年ジャパンダートダービーでJpn1初制覇。昨年秋華賞でJRA・G1初制覇。今年はフェブラリーSを優勝。JRA通算363勝、G1・3勝。WASJ初出場。

WAS選抜

アレクシス・バデル(香港) 1989年12月5日生まれ。33歳。フランス出身。母はフランス初の女性調教師で、父は元騎手。15年にはスミヨン騎手に次ぐアガ・カーン殿下の専属騎手に。20~21年シーズンから香港に拠点を移し、ウェリントンなどでG1制覇。WASJ初出場、日本での騎乗も初めて。

レイチェル・キング(オーストラリア) 1990年7月31日生まれ。33歳。英国出身。14年にオーストラリアへ渡り、18年スプリングチャンピオンSでG1初制覇。昨年は160年の歴史があるG1・シドニーCで、女性騎手として初めて勝利を飾った。WASJ初出場、日本での騎乗も初。

ジョアン・モレイラ(ブラジル) 1983年9月26日生まれ。39歳。ブラジル出身。00年デビューし、世界各国でビッグタイトルを制している名手。JRA通算120勝で、18年エリザベス女王杯(リスグラシュー)をはじめ重賞4勝(G1・1勝)。WASJは15年優勝。出場は5年ぶり5回目。

ルーク・モリス(英国) 1988年10月20日生まれ。34歳。祖父や叔父、いとこが騎手。05年に初勝利、10年にG1初制覇。21年からアルピニスタでG1・6連勝で凱旋門賞を制した。英国で最も忙しい騎手として知られ、今年1月には通算2000勝を達成。WASJ初出場、日本での騎乗も初めて。

ウンベルト・リスポリ(米国) 1988年8月31日。34歳。イタリア出身。父親が元騎手で、05年に同国でデビュー。12年からフランスで騎乗し、19年に米国へ移籍しカリフォルニアが主戦場。11年に日本で初騎乗し高松宮記念(キンシャサノキセキ)を制覇、重賞3勝を挙げた。JRA通算40勝。WASJは初出場。

マリー・ヴェロン(フランス) 1999年2月8日生まれ。24歳。フランス出身で16年にデビュー。20年に年間84勝を挙げ、ミカエル・ミシェル騎手が持つ女性の年間最多勝記録を更新。昨年ロワイヤルオーク賞でG1初制覇、フランス人女性騎手初の仏G1制覇を達成。WASJ初出場、日本での騎乗も初めて。

宮川実(みやがわ・みのる) 1982年(昭57)2月10日生まれ。41歳。99年に高知でデビュー。09年落馬事故で左目を失明するも翌年復帰。昨年は地方通算2000勝を達成、自身初となる高知リーディングも獲得。21年と22年には勝率全国1位で、2年連続NARグランプリ最優秀勝率騎手賞を受賞。WASJ初出場。


◆WASJ(ワールドオールスタージョッキーズ) 87年から14年までワールドスーパージョッキーズシリーズとして、秋にJRAの各地の競馬場で行われていた。15年から現在の名称、夏の札幌開催になり、チーム対抗(JRA対海外&地方)も開始。出走馬はハンデキャッパーによりA~D評価にグループ分けし、各騎手の騎乗馬が公平になるように振り分けられる。個人戦(優勝賞金300万円)に加え、出場騎手をJRA選抜とWAS(外国騎手・地方競馬代表)選抜に分け、チーム合計得点を競う団体戦(優勝チームに賞品)も行う。全4戦で各レースともに1着30点、2着20点、3着15点、4着12点、5着10点、6着8点、7着6点、8着4点、9着2点、10着以下1点が与えられる。