今年のサウジC(G1、ダート1800メートル、22日=キングアブドゥルアジーズ)で世界中から注目される香港最強馬ロマンチックウォリアー(セン7、C・シャム)には、日本勢も並々ならぬ脅威を感じている。

BCクラシック3着のフォーエバーヤング(牡4)を送り出す矢作芳人調教師(63)は「あとはロマンチックウォリアーがどれだけ強いかだけ」と戦況を分析する。ライバルと見込まれていたBCクラシック覇者シエラレオーネやドバイワールドC勝ち馬ローレルリバーなどが続々と参戦を見送り。ダート初出走ながら、芝でG1・10勝を誇る香港の雄は注目度を増すばかりだ。

その砂適性について、海外の競馬場を熟知する矢作師は「サウジのダートは走れそうなんだよな。パンサラッサも走ったし」と指摘する。2年前に大金星を挙げた管理馬パンサラッサは、芝でドバイターフ制覇の実績があったものの、ダートでは当時キャリア1戦。しかもリステッド(師走S)で11着と大敗していた。

東京ダービー馬ラムジェット(牡4)で挑む佐々木晶三調教師(69)も警戒をあらわにする。

「あれは強い。(参戦を聞き)『やめてよ』と思った(笑い)。むしろダートの方が走ると思う。桁が違う。欠点がない。前進気勢があって、根性もあるからどこでも割ってくる。(キングアブドゥルアジーズのダートは)ドバイほどキックバックも強くないので。1800メートルぐらいがピッタリでは」

戦々恐々の強敵は“日本馬キラー”でもある。地元ではクイーンエリザベス2世Cと香港Cをともに3連覇。オーストラリアのコックスプレートやドバイのジェベルハッタも勝ち、昨年には日本初見参となった安田記念でも底力を見せつけた。すでに海外3カ国を制圧。その輝かしい戦績において、日本馬に先着を許したことはない。

1着賞金1000万ドル(約15億5000万円)をかけた世界最高賞金レースで、その秘めたる才能を披露するのか。戦場を選ばない無双の「浪漫勇士」が、日本代表4頭の前に立ちはだかる。【太田尚樹】