ナルカミ(牡)を管理する田中博康調教師は快勝にホッとした様子を見せた。「とてもメンバーがそろったなかでどのくらいやれるかと思っていたけど、強い競馬をお見せできてホッとしています。(作戦は)いいスタートを切れて、この子のリズムがあの位置だったということで、ハナを主張という作戦ではなかったが、しっかりジョッキーと呼吸が合って、最高のパフォーマンスをお見せできたと思います」。初の3冠馬誕生なるか、という夢を砕いた、文句なしの逃走劇だった。

デビュー2戦を終えた後に関西から転厩してきた馬だが、能力の高さを見事に引き出した。「(レース中は)スムーズにいけば、このメンバーでもやれるかなと思っていましたが、4コーナーをまわって、だいたい大丈夫じゃないかな、と。(初めての大井競馬場は)ひとつの課題である精神的な部分、ナイターですし、パドックから馬場に向かうまでの導線がこの子には嫌なところがあったので心配していましたけど、堂々とおだやかに、よく我慢できたかなと思います。(このレースへ向けた対策は)いつもと変わらず、特別なことはしてないけど、左右のバランスが良くないので、そこのケアをしっかりやってきて、『右回りに変わるのはプラスだ』と絶対の自信を持っていました。あとは2000メートルをしっかり走れるように、と。とても心肺機能が高いので、数多くいい馬を管理させてもらっていますが、特別に心肺機能が高いと思います。あとはこの子の精神的な高ぶりをいい方向に出せるように厩舎一丸でやってます。気性の危うさをマイナスの方に出さなければ、と思っています」。快勝にも気を引き締める様子で課題と伸びしろを語った。

今後については未定だが、可能性を大きく広げる勝利になった。「これだけ強いパフォーマンスなのでG1の舞台になるのは間違いないです。プランはいくつかあるので、オーナーと相談して、プラン通りにいけたらいいなと思っています。(今日は)3冠もかかった、非常に興味深い、面白いレースだったと思います。ナルカミが勝つことができて、満足しています」と会心の勝利を振り返った。

チャンピオンズC連覇のレモンポップ、昨年のジャパンダートクラシック2着馬で今年の帝王賞を制したミッキーファイトなど、ダートで活躍馬を出し、一方で、先週日曜には凱旋門賞にもアロヒアリイで挑んだ田中博厩舎。今後もその活躍から目が離せない。