<天皇賞・秋>◇2日=東京◇G1◇芝2000メートル◇3歳上◇出走14頭
繊細な“天才くん”がG1馬になった。天皇賞・秋(G1、芝2000メートル)を制したマスカレードボールは2歳暮れのホープフルSで11着と大敗。それが転機になった。担当の花本助手が話す。
「ウッドチップでしっかりと3週連続でやったら苦しがっちゃって。体もガタガタで正直ひどかったです。だからその後は鍛えるというよりメンタル重視。心肺機能がすごく高くて、いくらやっても息がすぐに入る。中身を作って、筋肉の張り感だけ作ってあげれば走ると思うんです」
他厩舎のスタッフから「よくその体で走るね」と言われるほどの幼児体形。それでも能力、素質を信じて、3歳時から坂路中心のソフト調整に切り替えた。年明け初戦の共同通信杯を快勝。皐月賞3着、ダービー2着。あえて攻めない。我慢の調教が実を結んだ。
ひと夏越えた。幼児体形に身が入り、馬体も心も大人に近づいたが、花本助手は笑う。「基本サボりたがり。調教で真剣に走らない。天才型ですかね。でも、だからけがをしないし、波があまりないんでしょうね。あと、本当によく食べるんですよ。たぶん二郎系ラーメンでも唐揚げでもあげたら食べますよ(笑い)」。無邪気にカイバ桶へ口を突っ込むマスカレードボールが、愛くるしい。【桑原幹久】

