競馬界で通訳・レースホースコーディネーターとして活躍し、日本馬初のBC競走制覇、日本馬初のBCクラシック制覇など歴史的な瞬間に立ち会ってきた安藤裕氏(46)から今週も日刊スポーツにコラムが届きました。

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こんにちは。

先週の競馬が終わり、私にとってとても残念で寂しい時間が訪れました。国枝先生の定年により、国枝厩舎が解散となり、来週からその姿を競馬場で見ることができなくなると思うと、寂しさが込み上げてきます。

私が最初に日本へ招いた外国人騎手はオイシン・マーフィー騎手でしたが、その際に身元引受人を務めてくださったのが国枝先生でした。その後も数々の外国人騎手の身元引き受けをお願いし、大変お世話になりました。国枝先生、そして国枝厩舎の皆さまの人間力があったからこそ、私と外国人騎手たちが歩んでこられたのだと、あらためて感じています。

2日夜は、国枝先生の定年パーティーにもお招きいただきました。先生が残された功績の偉大さと、その人徳の高さに、あらためて感動するばかりでした。

実は今回のパーティーでは、マーフィー騎手のサプライズ参加を予定していたのですが、戦争の影響により日本へのフライトが欠航となってしまい、無念の一言でした。いつかマーフィー騎手とともに国枝先生の定年をお祝いする場を設けられればと思います。

さて、素晴らしいお話の後ではありますが、ドバイワールドカップデーについても触れさせていただきます。

さまざまな報道もあり混乱も見られますが、ドバイレーシングクラブは現時点(3日午後)ではまだ中止などの決定はしておらず、開催に向けた準備を続けているとのことです。過去には、2003年の湾岸戦争の際、日本から移動予定だった馬のフライトが直前で欠航となり、日本馬の出走はかないませんでしたが、レース自体は開催されました。

今後の情勢次第では状況がどうなるかわかりませんが、私自身は開催されることを前提に、引き続き準備を進めていきます。私たちにできることは、ただ平和を願うことだけです。祈りながら、前を向いて進んでいきたいと思います。

【レースホースコーディネーター】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「安藤裕のハッピー(馬)ダイアリー」)

◆安藤裕(あんどう・ひろし)1979年(昭54)10月19日、東京都生まれ。98年に渡英し、ゴスデン厩舎で馬の基礎を学ぶ。その後は騎手として北米などで騎乗した。ケガで引退後はプロ野球の通訳を経て、11年に株式会社FELESを設立。調教情報の管理システムを取り扱うほか、外国人騎手の通訳や海外に遠征する日本馬のサポートなど幅広く活躍中。