結果が出ている大山は内容もいい。初球からどんどん振っていくのが持ち味で、5回の本塁打は初球を空振り、8回の二塁打の前はファウルでした。フルスイングできるのは、下半身がしっかりしているからできることです。

振りにいった時、右のかかとが早くめくれるのが気になっていましたが、それが改善されつつある。これが早いとバットが外から出やすいが、内側から出るようになったことが安定感につながっていると思います。

5回のホームランは、上茶谷の2-2からやや甘く入ったスライダーでした。右方向を狙って打てば遊ゴロなどになっていたでしょう。センター中心を心掛けているから、あのスライダーにタイミングが合った。

巨人岡本と並ぶ25号本塁打ですが、この日21号を放ったヤクルト村上らも怖い存在です。東京ドームや神宮はホームランが出やすい。でも甲子園の浜風も大山を後押ししてくれるはずです。

チームの優勝が難しくなった今、大山のバッティングを見に来るファンは多いでしょう。ファンの声援と浜風を味方に、最後までフルスイングに徹してほしいですね。(日刊スポーツ評論家)

阪神対DeNA 5回裏阪神1死一塁、左中間へ逆転2点本塁打を放つ大山(撮影・上田博志)
阪神対DeNA 5回裏阪神1死一塁、左中間へ逆転2点本塁打を放つ大山(撮影・上田博志)