阪神のように好調を保っているチームは、できるだけ調子の良いときに試合を消化して勝ち数を積み重ねたいものだ。その点、例年より早い時期の梅雨入りはタイミング的に悩ましい。

チームは勝率7割が示すように、上々の戦いを続けている。前日19日のヤクルト戦も苦戦はしたが、相手のゲーム運びのまずさがあったところに、効果的な得点が入って逃げ切ることができた。

この時期になれば、どのチームにも不安材料が出てくる。阪神では西勇が勝てないし、大山、糸原ら主力の離脱は痛い。だが、いかにその“穴”を埋めていくかが難しい作業になってくる。

どのチームより、投打のバランスがとれた戦いをしてきた。「4番」に入った佐藤輝も結果を出している。全体的にやや下降気味だが、勝ちパターンのリリーフが崩れないのは、何よりも強みといえる。

ここからはどこも得点力が上がってくる。巨人は坂本が不在、丸が不調でも岡本和が完全に底を脱した。ヤクルトも打力が上昇、中日は助っ人の一時帰国はつらいが夏場に強い。DeNAは、もはや失うものはない。

阪神としては打ち合いでも負けないことだが、やはり先発が試合を作って、勝ちパターンに持ち込むことができるかにかかってくる。そのためには、うまくピッチャーを調整させたい。

現状のリリーフ起用では、どこかでしわ寄せがくることが考えられる。だが今シーズンは7月中旬から8月中旬にかけて、約1カ月の五輪ブレークで休息を取ることができるから、やりくりで乗り切りたい。東京五輪までに、突っ走れるだけ突っ走ることだ。(日刊スポーツ評論家)