球界の功労者をたたえる「2022年野球殿堂入り」が14日、野球殿堂博物館から発表され、ヤクルト監督の高津臣吾氏(53)が資格7年目で選出された。
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現役時代に同じユニホームを着て戦った高津さんが殿堂入りしたと聞き、誇らしく感じました。やはり、自分が戦ってきたチームが「強かった」という証明になるでしょう。ヤクルトのストッパーといえば高津さん、と今でも思っています。
2歳年上の先輩です。印象といえば、とにかくクレバーな投手でした。マウンドではいつも冷静で、ピンチを迎えても「この打者を出すと、次は○○が代打でくるよな」とか、常に次のバッターのことを考えながら勝負できる投手でした。
1イニングを3人でピシャリというタイプではありませんでした。でも0点に抑えてチームを勝たせるタイプのストッパー。頼もしく感じていました。
内野手として、とても勉強になりました。ショートを守っていたときは、打者のタイプや投げる球種やコースによって、打球がどこに飛びそうかを予測します。高津さんはコントロールがいいので、だいたいの場合、こちらが予想した通りの打球になるんです。ポジショニングの重要性を学びました。
タイプ的にもゴロを打たせて取るピッチャーで、高めに投げるのは狙ったときだけ。抑え投手が投げるときは接戦が多く、内野手には特にプレッシャーがかかりました。だからいつも「左の代打」が出てくるのを願っていました。
そうやって念じて守っていると、本当に左の代打が出てきて、外のシンカーを引っかけて二塁ゴロ。自分の願いはかなうわけです。もちろん、私の願いが通じたのは神様のおかげではありません。高津さんの実力が願いをかなえてくれるのです。おめでとうございます!(日刊スポーツ評論家)