阪神はカード3連敗だけは避けたかったから、岩崎が打たれてのサヨナラ負けは誤算だった。このDeNA3連戦で初めての出番だった岩崎だが、これまでのようにストレートで空振りをとれなくなっているのは気がかりな点だ。

1点リードした8回裏もなんとか湯浅がしのいでいたから余計に痛い。9回先頭の桑原には3-2になって投じたストレートを左前にはじき返されている。球持ちが良く、スピンの利いたストレートが打ち返されると、今後の抑えは心配になってくる。

チームも勝ちパターンのアルカンタラ、湯浅、岩崎らをリフレッシュさせながら回しているから手は打ってきた。ただシーズン中のリリーフの調整というのは休ませたからといってすぐに結果につながるわけではないところに難しさがある。

リリーフ勝負になったのも、先発ウィルカーソンが1回から打ち込まれたからだ。この3連戦は西勇、ガンケル、そしてウィルカーソンの先発の3人が我慢の投球ができなかった。いきなり4点ビハインドでは追いかけるのもつらい。

シーズン前半戦は投手陣が踏ん張ってきたが、全体的に先発ピッチャーが崩れてきている。ウィルカーソンが2回以降は立ち直ったことを考えると、それぞれが登板するまでの調整を再点検すべきなのかもしれない。

打つほうは佐藤輝に久々の本塁打が出たのは明るい材料といえる。1ストライクからの高めのストレートは苦戦してきた球だっただけに、これをきっかけに長打が続くことを期待したいものだ。

1、2、3番が出塁する機会が増えているから、4番佐藤輝、5番大山がチャンスでかえせるかにかかっている。月が替わる7月1日からの中日戦は、まず先発が粘りながらゲームの流れを作って、打線の援護を待つことで勝機を見いだしたい。(日刊スポーツ評論家)

DeNA対阪神 9回裏DeNA2死一、二塁、嶺井は右前にサヨナラ適時打を放つ。投手岩崎(撮影・浅見桂子)
DeNA対阪神 9回裏DeNA2死一、二塁、嶺井は右前にサヨナラ適時打を放つ。投手岩崎(撮影・浅見桂子)
DeNA対阪神 7回表阪神2死、右越えに同点ソロ本塁打を放った佐藤輝(撮影・江口和貴)
DeNA対阪神 7回表阪神2死、右越えに同点ソロ本塁打を放った佐藤輝(撮影・江口和貴)