阪神藤浪晋太郎投手(28)が中日の反撃を許さず、自身連勝で今シーズン2勝目を挙げた。前回同様、序盤から味方の援護を受けてのマウンドだった。
山田 まず藤浪にとって大きいのは結果が出ていることだ。フォームが変わった、球質が上がった、何かが変わったから勝てるようになったとは思えない。ただ結果がついてきていることで、少し気持ちに余裕を持てているふうには見えた。あれこれ考えず、自分の投球をすることに集中し、ゲームを作るという、心理的にも良い意味のアバウトさが結果につながって、気持ち良く投げているように映った。
3点リードの3回1死から岡林に左翼線二塁打、大島四球で一、二塁とされた場面。3番阿部に中前にはじき返されて1点をかえされた。
山田 今の中日の弱い打線を抑えたからといって、復活をはかるバロメーターにはならない。中日は4番ビシエド以降は期待ができない。試合としても、3回は追い打ちをかけられていれば分からなかった。ただ1つ言えるのは、打者の足元にいった引っかかった直球が、極端に減少した。フォームが変わって好転したわけではないし、これも精神的なものが投球に表れたと分析している。
ヤクルトやDeNAなど強力打線と対戦した時にどうか。ファンの期待もより高まってくるだろう。
山田 1年間ローテーション入りし、それを絶対守らなければならない立場に置かれていないから、過大評価はしないほうがいいだろう。少なくともわたし自身は、まだ完全復活とは受け止めてはいない。今は試されているポジションにいることも、本人は分かっているはずだ。シーズンは残り少ないが、これで次も先発のチャンスを与えられるだろう。大切なのは、そこで評価を上げながら来シーズンにつながる投球をすることだ。【取材・構成=寺尾博和編集委員】