日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(42)が今日8日からの巨人-阪神3連戦(東京ドーム)を前に、伝統球団で輝きを放つスター候補生3人の打棒を分析した。第1回は強力巨人打線の中で早くも主軸となりつつある巨人秋広優人内野手(20)。Gのホープにはあのホームランアーチストと同じ特長が存在した。【聞き手=佐井陽介】


巨人秋広選手は身長が2メートルあります。背が高い選手は手足も長いので、バットの扱いが非常に難しくなるはずなのですが、彼の場合は柔らかさに長所があります。インコースのボールに対しても、スピードボールに対しても、振り負けないだけの柔軟性が肘周り、手首周りにある。バットのヘッドの使い方もうまく、なかなか他の選手にはマネできないスイングの形を持っています。

秋広選手はバットスイングが遅く見える打者でもあります。実はこれはバットが地面に対して平行に移動している時間が長い証しでもあります。西武の中村剛也選手にも同じ特長がありますが、平行移動の時間が長ければ長いほど、スイングスピードはどれだけ速くても遅く見えるもの。ボールを点ではなく面でとらえられるから確実性が上がり、打率を残せる。東京ドームのように球場が狭ければ、打球の角度が少しでも上がればライナーのままスタンドインできる。それほどの打者だから、20歳で早くも巨人打線のクリーンアップを張れるのでしょう。

実は秋広選手と自分は21年の1年間だけ同じグラウンドで戦っています。彼のプロ1年目と当時ロッテに在籍していた自分の現役最終年が重なっていて、2軍のイースタン・リーグで何度か対戦する機会があったのです。それほど多くの試合を確認したわけではないので一概には言い切れませんが、当時の秋広選手はまだ少し粗いタイプに見えました。当たればデカいけど空振りも多い…といった印象でした。それがたった2年後の今では、ボールに丁寧にアプローチしながら長打を打てるレベルにまで進化。すごいスピードで年々進化しているのは間違いありません。(日刊スポーツ評論家)