DeNAは山下幸輝内野手(25)が延長10回にサヨナラ適時打を放ち、楽天に競り勝った。山下は一塁を回ってから涙が止まらず、お立ち台でも号泣した。

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 山下が野球でうれし泣きしたのは2度目だった。1度目は国学院大4年の春。勝ち点を挙げた方が優勝という亜大との1回戦。延長10回にサヨナラ満塁弾を決めた。相手マウンドは、現在チームメートの山崎。「ヤスから打ったあの時も泣いてますね」と照れ笑いを浮かべた。

 痛恨の失策を犯した昨年7月26日の阪神戦。そのときマウンドに立っていたのも山崎だった。ベンチ裏で悔し泣きする山下に、山崎は「投手と野手は助け合いだから。大丈夫大丈夫」と声をかけたという。

 プロ4年目、同期入団の2人。この日、山崎は山下の一打で今季初勝利を手にした。守護神は「山下に打たれたサヨナラホームランはよく覚えてます。悔しかったですから。今日はチームにとっても自分にとってもうれしい1本。なんか感慨深いです」。野球にはこんな縁もある。【佐竹実】