プロ野球番記者コラム

別当薫さん以来のプロ、阪神湯浅は尾鷲市期待の星

<とっておきメモ>

毎週火曜日の企画、第4週は阪神2軍で奮闘する選手にスポットを当てる「鳴尾浜便り」です。今回はドラフト6位で入団した新人の湯浅京己投手(19=BC富山)。

ソフトバンク戦で先発し5回を1失点に抑えた湯浅(2019年4月23日撮影)
ソフトバンク戦で先発し5回を1失点に抑えた湯浅(2019年4月23日撮影)

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湯浅には、頑張ってもらいたい特別な思い入れがある。彼と自分は同じ尾鷲市出身。人口約1万8000人足らずの小さな田舎町だ。湯浅が5歳下で、時期はずれるが同じ地元の野球少年団に入り、小・中学校も同じ。湯浅の父栄一さんには、何度もノックを打ってもらった記憶がある。

尾鷲は紀伊山地に雲がぶつかり、雨がよく降ることで知られる。台風中継では、必ず中継が入る。大阪からは車で約3時間、電車やバスを乗り継ぐと軽く5時間を要する。世界遺産の熊野古道がそばを通り、市内は電車ではなく1~2時間に1本の汽車が通るのみ。周囲には山、海、川の大自然が無限に広がっている。

私は4月下旬から虎番を命じられ、初めての阪神取材が23日の鳴尾浜。くしくもその日、湯浅がプロ初先発で初勝利を挙げた。何ともうれしいな縁を感じた。

湯浅は、同市に本籍があり、1947年(昭22)から選手、監督として大阪タイガース(現阪神)などで活躍した別当薫さん以来のプロ野球選手だ。別当さんは日本初のトリプルスリーを達成した戦後のレジェンド。市営球場には別当さんの銅像があるが、湯浅もその隣に銅像が建つほど大活躍すれば、小さな町が盛り上がる。【阪神担当=奥田隼人】

◆尾鷲市 三重県南部、東紀州地域の中央に位置。黒潮が流れる熊野灘に面する。全国的に見て降雨量が非常に多い都市の1つ。県庁所在地の津市から南に約100キロ。人口1万7761人(19年5月1日現在)。面積の90%は山林で、海岸はリアス海岸。背後を山に囲まれ、南からの暖かく湿った空気が流れ込みやすい春から秋にかけて雨雲が発達しやすい。「熊野詣で」などで旅人が往来した熊野古道は、世界遺産に登録されている。加藤千速市長。

◆奥田隼人(おくだ・はやと)1994年(平6)9月29日、尾鷲市生まれ。尾鷲小1年から尾鷲野球少年団で野球を始める。一度、サッカーを挟んで野球に戻り、6年では主将を務めた。競馬の騎手に憧れるも、競馬記者へと夢をシフト。関西大学でマスコミュニケーション学を専攻し、17年に入社。整理部、芸能担当を1年ずつ経て、19年4月末から阪神担当。

ソフトバンク戦で先発した湯浅は、5回を投げ終え笑顔を見せる(2019年4月23日撮影)
ソフトバンク戦で先発した湯浅は、5回を投げ終え笑顔を見せる(2019年4月23日撮影)

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