今日からは、1次ラウンドで日本と同じプールBの国々を紹介する。最大のライバルは韓国だが、何が起きるか分からないのが国際大会。他の3チームも油断はできない。

【中国】

3月9日に日本が初戦を戦う中国はWBSCランキングで世界30位(22年12月31日現在)。WBCには第1回大会から5大会連続出場となるが、過去4大会全て1次ラウンドで敗退している。ただ、第1回大会こそ、3戦全て2ケタ失点で大敗も、第2回大会では台湾に4-1で初勝利。日本にも0-4と善戦した。第3回大会ではブラジルに勝利しており、力は付けてきている。

中国のWBC成績
中国のWBC成績

前回大会は3試合で1点のみだったように、得点力に課題を残す。その分、投手陣が踏ん張れるか。前回に続き、中国系韓国人で韓国・KTでプレーする朱権投手が出場を表明。「WBCを次のステップへの機会にしたい」と意欲を見せる。昨季58試合、3勝3敗1セーブ、防御率3・91。過去4年間で268試合登板と経験豊かなリリーフ右腕だ。監督は過去3度WBC出場の中国系米国人レイ・チャン元内野手が務める。

【チェコ】

日本3戦目の相手はWBSC15位のチェコ。昨年9月、予選A組の敗者復活戦でスペインを3-1で破った。第3回大会から出場3度目で、ついに本戦進出を果たした。

チェコのWBC成績
チェコのWBC成績

代表は国内リーグの選手で構成される。詳細な実力は不明だが、栗山監督は「結構、ピッチャーはいいと聞く」と気を抜かない。陸上競技のやり投げ王国。肩の強さは伝統か!? スペイン戦に先発し、本戦出場へ導いたマーティン・シュナイダー投手は身長188センチ、体重82キロの長身スリークオーター右腕で、遊撃手との二刀流。過去に本塁打、安打、得点、打点、盗塁、防御率でタイトルを獲得した。昨季は打率3割4分4厘、1本塁打、7打点、投手では10試合で1勝0敗4セーブ、防御率1・42。普段は消防士をしている。

同じく右腕のマレク・ミナリク投手はフィリーズとパイレーツの傘下にいた。マルティン・セルヴェンカ捕手はインディアンスなどの傘下に在籍し、21年はメッツ傘下3Aで7本塁打を放っている。

【オーストラリア】

WBSC10位のオーストラリアは5大会連続出場。これまで全て1次ラウンド敗退も、プールBの日本の相手としては韓国に次ぐ実力者となる。1次ラウンド最終戦の12日に対戦するが、元中日のディンゴこと、デーブ・ニルソン監督、日本ハムなどで投げたマイケル中村コーチと、日本球界経験者が首脳陣にいるのは不気味だ。昨年11月の強化試合は日本の2戦2勝。いずれも大勝(8-1、9-0)したが、オーストラリアはシーズン開幕前だった。調整段階だった点は割り引く必要がある。

オーストラリアのWBC成績
オーストラリアのWBC成績

メジャー経験者は、通算82試合登板の右腕ワーウィック・ソーポルド投手、昨季エンゼルスで5試合出場のアーロン・ホワイトフィールド外野手がいる。21年セーブ王のホワイトソックスの守護神リアム・ヘンドリックス投手は、大腸がんの治療のため不参加とみられる。ダリル・ジョージ内野手は、17年に育成でオリックスに在籍した。【古川真弥】