高原のねごと

大田成長させた日本ハム、伸び悩む藤浪もウチなら…

<練習試合:阪神4-4日本ハム>◇17日◇沖縄・宜野座

7回表日本ハム1死、大田は左越え本塁打を放つ(撮影・上山淳一)
7回表日本ハム1死、大田は左越え本塁打を放つ(撮影・上山淳一)

日本ハム戦、もっとも盛り上がったのは残念ながら? 敵軍・大田泰示の本塁打だったかもしれない。前日から合流したデスク松井清員もぽか~んとした顔で「漫画みたいなホームランですね」。まさにそんな表現がぴったりの豪快なアーチだった。

大田は言うまでもなく巨人の08年ドラフト1位だ。東海大相模から鳴り物入りで入団した。しかし巨人での8年間は正直、伸び悩んだ。16年オフにトレードで日本ハムへ移籍。すると17年にいきなりキャリアハイの15本塁打をマーク。18年も14本塁打を放った。生まれ変わったと言っても過言ではないだろう。

日本ハムはおそろしい。ダルビッシュ有、大谷翔平の超大物を大リーグに送り出し、いまは阪神が欲しかった清宮幸太郎の成長を待ち、さらにはルーキー吉田輝星をじっくり育てている。セ・リーグの広島同様、新人選手の発掘、育成には他球団と比べても大きな力を持っていると言わざるを得ない。

補強の責任を持つGMは吉村浩だ。かつてデトロイト・タイガースで大リーグ・スタイルを学び、阪神でもフロントとして勤めていたこともある。旧知の吉村に「日本ハムはすごいでんな」という話をすると、決まってニヒルに笑いながらこう言う。

「まあ、ウチはロマン派なので。ロマン以外、何もありませんので」

ロマン派。分かるようで分からない。自分なりに解釈すれば、アマ球界で名前を残し、野球ファンが知っている選手を大事にしたいということのようだ。そして指揮官・栗山英樹も吉村と同様の感覚を持っている。そんな2人と雑談すると口をそろえるのが阪神のある選手に関してだ。

藤浪晋太郎。この日も試合後、栗山に藤浪の感想をたずねると「藤浪クン。いいですね。スケールの大きな選手は大好きです。本当に」と話した。吉村にしろ栗山にしろ、もちろん口にはしないが「ウチなら藤浪を超一流にできるんだけど」という自信を持っているように思える。

そんな日本ハムの前で好投を期待した藤浪だったが、正直、パッとしなかった。真っすぐの球速は出ていたものの、それで空振りを取れないし、制球もまとまらなかった。「りきんでましたね。もう少し攻めていきたかったけど」。リードした梅野隆太郎もそう表情を曇らせた。

藤浪の復活。矢野燿大率いる阪神の大きなテーマはそれだと思っている。いつも書くが、それは阪神だけでなく日本プロ野球の問題でもあるからだ。(敬称略)

3回表日本ハム1死一、三塁、清宮に中前勝ち越し適時打を浴びる藤浪晋太郎(撮影・上田博志)
3回表日本ハム1死一、三塁、清宮に中前勝ち越し適時打を浴びる藤浪晋太郎(撮影・上田博志)

取材生活30年を超える古だぬき記者。吉本興業から宝塚歌劇団、あるいはヤバい人たちの取材から始まり、プロ野球ではイチロー日本一(96年)星野阪神V(03年)緒方広島連覇(17年)などの瞬間に立ち会った。日刊スポーツ大阪本社編集委員。

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