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白山・ハーヴィー、もう1度甲子園へ笑顔で引っ張る

ベンチで声を出す白山のパルマ・ハーヴィー主将(左)(撮影・柏原誠)
ベンチで声を出す白山のパルマ・ハーヴィー主将(左)(撮影・柏原誠)

昨夏、甲子園に初出場し話題になった三重県立の白山高校。まもなく「下克上」から1年がたつ。

パルマ・ハーヴィー外野手(3年)を覚えている人も多いだろう。フィリピン出身。2年生で出場した甲子園では伝令役。人なつこい笑顔と、身長162センチと感じさせないパワフルな全力疾走が印象的だった。大会後、主将に任命された。

先日訪れた取材先で、目当ての学校の対戦相手が白山だった。主力組が出場した1試合目、パルマは「7番左翼」で出場。より目立っていたのがベンチに控えた2試合目。「いけー」「チャンスだぞ、自信持て!」。2時間以上、よく通る声を響かせた。戻ってくる野手に声をかけ、打席に向かう下級生に助言も送る。

圧倒的な迫力。声帯が心配になったが、試合後に話を聞くとけろりとしていた。「言葉は悪いけど、自分が落ちたらチームは終わる。それくらいの自覚を持って引っ張っていこうと思っています」。自慢の笑顔を見せてくれた。

3年生13人が抜け、前チームからの主力は1人だけ。昨秋の県大会は悪夢の1回戦敗退。だが春季大会は県16強。夏への希望がうっすらと見えてきた。

「秋は準備不足もあって、みんながまとまらなかった。冬の間に振り込み、走り込みを徹底しました。春はその成果を出せたと思います。昨年は打って、打ってという感じだったが今年は目立つ選手が少ない。1人1人がつながないと勝っていけない。全員が役割を自覚して試合に臨むよう心がけています」

この春に新入生30人ほどが加わり、60人規模の大所帯。遠征先での試合やシートノックを見れば、変わらずよく鍛え上げられていることが分かった。

グラウンドは雑草だらけ、部員もわずかだった学校は、13年に東拓司監督(41)が就任してから少しずつ変化した。16年まで10年連続、夏は初戦敗退。18年に奇跡を起こした。当時の主将が「日本一の下克上を達成できた」と表現した。

「甲子園にもう1度戻ることが本当の『下克上』だと思います。プレッシャーはすごくある。注目される部分もあると思う。でも昨年とは全然カラーが違うので、自分たちのカラーをしっかり発揮できるようにしたいです」。今度は奇跡と呼ばせない夏にする。【柏原誠】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

仲間を励ます白山のパルマ・ハーヴィー主将(撮影・柏原誠)
仲間を励ます白山のパルマ・ハーヴィー主将(撮影・柏原誠)

 野球をこよなく愛する日刊スポーツの記者が、その醍醐味、勝負の厳しさ、時には心が和むようなエピソードなど、さまざまな話題を届けます。

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