後半戦開幕、2連勝である。フォード、ビシエド、そして藤浪晋太郎とNPB経験者を復帰させ、阪神追いすがりへ本気と思われるDeNAが相手だったが、この日に限れば、敵がどうにもパッとしなかった。

真剣にやっていても出るのがミスだが1イニングで2つは厳しい。それも一塁手が送球を取れないプレーとこれ以上ないようなトンネル。虎党なら先刻承知だろうが一応、振り返る。

2回裏、2死二塁から坂本誠志郎の適時打で先制した後だ。なおも2死一、二塁として、ここで9番・高橋遥人の打球は詰まった二ゴロ。「これでチェンジ」と思った直後だ。

牧秀悟がゴロを処理、一塁フォードに送るがフォードがこれをそらす。なおも近本光司の安打などで2死満塁とした後だ。ここで森下翔太の三ゴロを三塁・宮崎敏郎がトンネル。痛すぎる適時失策だ。この回、阪神は5得点。先発・石田裕太郎の自責点は「1」だ。

これで貯金は「20」。2位以下はつぶし合いになるし、いよいよ“1人旅”の気配になってきた。さすがに相手も戦意喪失気味か。勝手にそう想像したりするのだが、いや、阪神ナインのプレーがそんな状況を呼んでいるのかも…と思えるような部分もこの2回にはあったと思う。

先制点の場面、2死二塁から坂本の適時打で二走・佐藤輝が生還するのだが、その様子がいかにも余裕だ。クロスプレーどころかスライディングすら不要のタイミング。相手チームでもあり、失礼なことは書けないが相手の守備力を読み切った生還シーンだ。

逆にフォードが失策した場面は高橋遥人の激走が光ったと思う。二ゴロを放った高橋が「ダメだ」と思ってゆっくり走っていれば、ひょっとして、ああいうことになっていないかもしれない。全力で走っていたからこそ、という気はする。

現在の野球はそうそう連打は出ないし、得点も取れない。実際、阪神も6回まで追加点が取れなかった。だからこそ相手のミスにつけ込むという攻撃は重要だ。いまは、それができているということだろう。

「プレッシャーなのか、それとも運が向くというのもあると思うんですけど。逆もあるわけで、自分たちは常にキッチリした野球をすると、ただそれだけですね」。指揮官・藤川球児はそう言った。ちゃんと「かぶとの緒」を締めているな、と思ったのである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)