今春センバツ出場の静岡(中部推薦)が、東海大静岡翔洋(中部2位)を12-5で破り、3年ぶり11度目の優勝を飾った。6番小林晃輝外野手(3年)が4安打5打点。2番手で登板した鈴木翔也投手(3年)が、4回1/3を2失点でしのいだ。甲子園出場を懸けた夏の大会は、静岡の第1シード、東海大静岡翔洋の第2シードが決定。2校は18日開幕の東海大会(愛知)に出場する。

 静岡が投打に安定した力を見せつけた。9回裏1死一塁、鈴木翔が東海大静岡翔洋の代打、桑原竜成(3年)を併殺に仕留めた。3年ぶりの春制覇で、秋に続いて2季連続優勝。好救援を見せた鈴木翔が胸を張って言った。「春(翔一朗投手=3年)がいない中で優勝できたことは大きいです。投手陣として成長できて、夏に向けていい材料になると思います」。

 今大会は、右ひじ痛のエース春が登録外。背番号1で先発、抑えに活躍した鈴木翔に加え、2回戦では佐野冬弥投手(3年)が公式戦初登板。斉藤颯斗投手(2年)も準決勝の先発で公式戦初登板を果たした。この日に先発した草薙誠投手(3年)も含め、投手陣が実戦経験を積んだ。

 打線では、準決勝(対市沼津)で決勝打の小林が好調をキープ。4安打の固め打ちで、「しっかり低い打球を飛ばそうと思っていました。良いところに抜けてくれました」。チームとして、5失点までは覚悟の上で戦っていたといい、小林は「夏になれば苦しくなるのは投手。野手がフォローしていければと思います」と、先を見据えた。

 チームは、この優勝で県内無敵状態を証明した。「静高包囲網」はさらに厳しくなるが、栗林俊輔監督(45)は「標的にされるのは承知の上で、自分たちの野球をやっていくだけだと思います」と冷静だ。照準はあくまで夏。「春の優勝校、第1シードは夏に勝てない」のジンクスも気にせず、このまま突っ走る決意だ。【鈴木正章】