山村国際がBシードの東農大三を倒して過去最高成績に並ぶ16強進出を果たした。

先発した森田尋也投手(3年)が9回を5安打2失点完投。小学2年から遊撃を守っていたが先輩の薦めで昨年4月から投手を本格的に始めた。

春大会のベンチメンバーに入れなかった悔しさを力に変えて大仕事をやってのけた。

「変化球が得意です」と横と縦のスライダー、チェンジアップを自在に操り的を絞らせなかった。

「調子はあまりよくなかったですけど、左足をしっかり踏み込むようにしてからよくなってきました」。

下半身の粘りがこの日の投球を支えた。「双子の弟(善也内野手)と近所に住んでいる小林(克光内野手)と3人で毎日学校まで走って鍛えました」と昨年11月から1月まで川越市の自宅から坂戸市の学校まで約7キロの道のりをトレーニングの一環で毎日走って登校した。

春には形にならなかったが「やっと効果がでできたのかな」と笑う。

応援団長を務めた弟善也は「やってくれると思いました。最高です」と兄をたたえた。

尋也、善也は生まれたときそれぞれ1600グラム、800グラムと未熟児で生まれた直後は保育器に入った。小学2年で一緒に野球を始めると二遊間を組んできた。現在は178センチ78キロ、165センチ63キロと2人とも大きく成長した。

高校では二遊間を組むことはできなかったが、応援団長、投手として共にチームを引っ張る。

「ドキドキしちゃって。2時まで寝られませんでした」と打ち明けた善也に対し、先発の決まっていた尋也は「わくわくしました。ぐっすり寝られました」と笑った。「応援は聞こえました。善也の思いも背負って投げました。次も今日のようなピッチングをして勝ちたいです」と意気込んだ。