日本高野連は29日、大阪市内で理事会を開き「投手の障害予防に関する有識者会議」の答申を全会一致で承認した。来春のセンバツ(3月19日開幕)から「1人の投手の1週間での総投球数を500球以内にする」投球制限を導入する。

会見した八田英二日本高野連会長(70)は「高校野球がこれだけの第一歩を踏み出した意義は大きい。小学生、中学生の投球制限にも影響することが大きい。野球界全体として投手の障がい予防を真剣に予防していこうと」と、高校生だけでなく、その下の世代でも故障予防へのきっかけになると期待した。

3年間は罰則のない試用期間だが、「付則」として高校野球の特別規則に明文化する。トータルで500球を超えた打者を終えた時点で投手交代となる強制力を持つ。八田会長は「3年間の試用期間はデータ収集の意味での3年間。500球が適切なのか、医学的なものがあるわけではない。緩すぎるというのであれば、医学的な意見を集めて再検討はさせてもらうし、そうしなければならない」と、今後も見直しを重ねていく考えを明かした。

今後、来季導入までに細かい運用面を検討していくが、球数を数えるのは各試合の公式記録が頼りになる。「この選手はあと50球で500球になる」というのを試合前に両チームの前で伝える形になりそうだ。ほかにも原則3連戦を回避する日程、健康調査票の活用など、日本高野連が選手を守ることを優先に“ルール改正”で大きく動いた。【石橋隆雄】