昨夏の甲子園交流試合に出場した加藤学園高(静岡)野球部のメンバーが1日、門出の時を迎えた。沼津市内の同校で行われた卒業式に参加。新型コロナウイルスの影響で式典は簡略化されたものの、3年生部員18人が巣立った。前チーム主将の勝又友則内野手と、1年秋からエースを務めた肥沼竣投手は、進学部の代表として壇上で卒業証書を受け取った。

勝又は「最もつらかったのは(3年の春夏)甲子園がなくなったこと。最もうれしかったのは(交流試合の)甲子園で勝てたこと」と振り返った。日体大に進学して準硬式野球部で競技を続ける。将来はスポーツ用品メーカーへの就職を希望。「お世話になった方々へ恩返しできるように頑張りたい」と引き締まった表情で話した。

肥沼は「濃い3年間だった。甲子園のマウンドにも立てて、ここの野球部でやってこれて良かった」と実感を込めた。来月、東都リーグ1部最多32度の優勝を誇る名門・専大へ進学。将来はプロ入りを目指す。「高校での教えを忘れずに過ごす。日本中に勇気を与えられるような選手になりたい」と、4年間でレベルアップすることを誓った。

チームを献身的に支え続けた、2人の3年生マネジャーも卒業の日を迎えた。将来はブライダル関係の職を希望する山崎聖莉那マネジャーは「目標に向かって頑張る選手の姿に勇気づけられた。感謝の気持ちでいっぱい」。美容師を目指す清水紅宇(あかね)マネジャーは「つらいこともあったが、甲子園に出る夢を実現できて幸せだった」と笑みを浮かべた。

春夏通じて初の甲子園出場を果たし、野球部の歴史に新たな1ページを刻んだ3年生たちが、思い出の詰まった学舎を後にした。【古地真隆】