今夏準Vの青森山田が、八戸工大一に2-1で競り勝ち、2年ぶり10度目の「秋王者」を決めた。エース左腕・堀内友輔(2年)が5安打1失点完投で勝利に貢献。今大会登板した3試合は全て完投し、27回1失点と実力を見せつけた。秋季東北大会(20日開幕、宮城)には青森山田、八戸工大一、東奥義塾が出場。これで東北6県すべての出場校がそろった。

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青森山田のエースは夏の悔しさを力に変えた。今夏県大会決勝、5-6と敗北した弘前学院聖愛戦で堀内は、「背番号1」を背負い先発も4回2失点で降板。「夏は期待に応えられなくてとても悔しい思いをした。この秋は必ずセンバツを決めて、期待してくださった方々に返せたらと思っていました」。夏の敗戦から短距離のダッシュや長距離走で体力強化に取り組み、今大会3完投。1、2回戦を4安打完封、決勝では3回から4イニング連続で3者凡退に抑えるなど、9回を投げきることができなかった春先からの成長を実感した。

2-0で迎えた9回には、先頭打者の相手4番の初球、高めに抜けた変化球を左翼席へ運ばれ今大会初失点。悪い流れも堀内は、「まだ1点しか取られていない」と焦らなかった。「変化球でゴロを打たせたりストレートでフライを打たせたり、状況に応じたピッチングができるようになった」と「打たせて取る」持ち味を存分に発揮し、最後は遊飛に打ち取って試合終了。防御率は0・33と、今大会を通して圧巻の投球を見せたエースは、「今まで以上にチームを引っ張っていかないといけない。チームの勝利に貢献できるようなピッチングを」とさらなる飛躍を誓った。

東北大会に向け、「どのチームも打つチームだと思うので、自分の持ち味を発揮できたら。先を見据えずに1戦1戦、全員で勝っていけたらと思います」と1戦必勝を掲げる。目標のセンバツ出場へ、全員野球で東北大会も勝ち進む。【濱本神威】