山梨学院のエース・林謙吾投手(3年)が初戦の東北(宮城)戦に続く2試合連続完投で、春夏通じて初めての3回戦進出に貢献した。

高い修正能力を発揮した。初回、味方の失策から2連打を許し、先制点を奪われた。「走者を出して、慌ててしまいました」。即座にフォームを見直した。「リリースの瞬間、手首が寝ていて、感覚にズレがあった」。ベンチ前で軽いキャッチボールで手首をしっかり立て、角度を調整。4回に3者凡退に抑えると本来のリズムを取り戻し、その後は走者を出しても無失点に抑えた。要所でギアを上げて三振を奪い、7安打5奪三振で1失点完投勝利。自己最速を1キロ上回る140キロも記録した。

練習から、ブルペンでは打者を想定し、有利なカウントを作るイメージで投げ込んできた。大舞台でも慌てることはない。落ち着いて自分の投球と向き合い、本来のらしさを取り戻した。「後半は、真っすぐがよかったです。後半のようなリズムで投げるのが、自分の投球です」と話すと、ホッとした表情を見せた。

昨年の春夏の甲子園はメンバー外で、アルプススタンドから声援を送った。「自分たちの代で、甲子園2勝を目標としてきた。そこは素直にうれしいです」。背番号1は、誇らしげに胸を張った。

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