敗れはしたものの、大観衆の大一番で1年生たちが経験を積んだ。

村田浩明監督(37)は背番号16の右腕、織田翔希投手(1年)を先発投手に起用。2回途中2失点で降板したが、3つの三振を奪うなど183センチの長身から角度ある球で攻めた。

ネット裏で視察した西武渡辺智男アマチーフ補佐(56)も「ポテンシャルはいいものを持っています。体全体で投げられるようになると、より安定力が高まってくると思います」と感想を口にした。

その織田をリリーフし、後続を切り、2番手として5回途中まで投げたのが左腕の若杉一惺(ひとせ)投手(1年)だ。

最速137キロをマークしたこともある直球と多彩な変化球を低めに集め、打者7人に無四球。「緊張はあまりなくて、やってやるぞという気持ちで行きました」と堂々と投げた。

父の聖一さんも横浜野球部のOBで、いずれ後にプロ入りした斉藤宜之、紀田彰一、多村仁志のクリーンアップを擁し「横浜史上最強」とも呼ばれるチームの主将を務めていた。

父の現役当時の映像を見たこともあるといい「お父さんの分まで頑張ろうと思います」と入学直後から腕を振っている。目標はソフトバンク和田毅投手(43)で「和田投手のように長く、ずっと投げられる選手が目標です。今は体力を付けて夏にリベンジできるよう、頑張っていきたいです」と意気込んだ。

村田監督は「1年生にとってもいい財産になったと思います」と、夏に向けてのさらなるチーム内競争に期待した。【金子真仁】