大院大高が準々決勝で大阪桐蔭に逆転勝利し、春季高校野球大阪大会で13年ぶりの4強入りを決めた。4回戦の履正社戦に続いて強豪打破。春夏秋を通じて大阪大会の同一大会で履正社、大阪桐蔭の2校に勝ったのは09年夏のPL学園以来の快挙。プロ注目の今坂幸暉(ともき)主将(3年)は「大阪2強を倒せて、素直にめちゃくちゃうれしいです」と頬を緩ませた。

「今日が夏の最後やと思え。最後の1イニングに全員で(全てを)かけよう」

主将が9回攻撃前の円陣でそう仲間を鼓舞し、最終盤にたたみかけた。1点を追う9回表無死一塁から今坂が大阪桐蔭・平嶋の落ち球を捉えて右前へ。三塁を狙った一塁走者の進塁阻止を試みた右翼手の徳丸快晴外野手(3年)の送球が大きく後ろにそれ、同点のホームを踏んだ。なおも1死三塁から平嶋が暴投した間に三塁走者の今坂が本塁にヘッドスライディングして勝ち越しに成功。最後はエース左腕の前川琉人投手(3年)が1失点の完投勝利で締めくくった。

23年3月に指揮官に就任した辻盛英一監督(47)は「2強時代を終わらせるぞと監督になったわけで、彼らもそのつもりでうちの学校に来てくれている、1つの目標を達成した感じはあります」と感慨深げ。「全部アイコンタクトでやっているので。基本サインはないです」と“ノーサイン野球”で快進撃をみせた。今坂は「自分たちが目指してるのは大阪1位ではない。日本一目指してやってるんで、ここも通過点だと思ってます」と力強く言った。強豪ひしめく大阪で、夏も旋風を巻き起こす。【古財稜明】

 

◆大院大高 関西経済学院商業高校として1959年(昭34)に開校され、1963年(昭38)に現校名に改称された。野球部は1996年(平8)のセンバツに春夏通じて初出場して8強入り。夏は18年の第100回記念大会の北大阪大会で準優勝が過去最高成績。主なOBは元阪神江夏豊氏、元南海筒井良紀氏、元中日金子丈氏ら。所在地は大阪府吹田市岸部南2丁目6番1号。角田聡校長。