阪神ドラフト1位横山雄哉投手(21=新日鉄住金鹿島)が23日、逆転開幕1軍に望みをつないだ。左胸鎖関節炎症のため2軍安芸キャンプで調整する左腕が、フリー打撃に初登板。威力ある真っすぐで押し、黒瀬のバットを2本破壊した。見守った掛布雅之DC(59)は絶賛の嵐。3月10日からの教育リーグ、ソフトバンク2連戦(鳴尾浜)でのデビュープランも浮上した。
バットが鈍い音を立てて砕けた。横山が投じた7球目。クロスファイアに食い込んだ真っすぐが黒瀬の膝元をエグった。遅れてきたドラフト1位左腕のフリー打撃初登板。最速151キロの看板通りに12年目の中堅を押し続けた。
横山 あの1球は真っすぐがナチュラルにカット(ボール)気味に入りました。右の内を攻める時の武器でもありますね。力は7~8割。でも高めにも浮いたし(全体的には)よくなかったと思うのですが…。
控えめな笑みの中に、つかんだ手応えがあった。カーブとスライダーを6球交えた24球。ボール球も7個あったがバット2本をへし折り、ヒット性はわずか2本。外角低めで見逃しを取った時には、思わず掛布DCも「エエ球やなあ!」とうなった。
掛布DC 21Uでも結果を出したけど思った以上でした。江夏さん(臨時コーチ)が求める「質のいいストレート」。カット気味に入ってくる球もすごい。真上から投げてクロスに来る角度もあるから、右打者はイヤでしょう。左投手は右をどう攻めるかがカギだけど、懐に攻め込めるのは大きな強み。この世界で戦える真っすぐがある。
本職の打撃そっちのけ? でケージにかぶりついての第一声がこれだ。昨年11月の21U・W杯で日本代表を準優勝に導いたが、左胸鎖関節の炎症でキャンプは2軍発進。徐々にギアを上げ、ようやくお披露目された左腕に、掛布DCは「3月のどこかで上に呼ばれてもおかしくない」とまで断言。逆転開幕1軍への道も見えてきた。
古屋2軍監督は、初実戦は「10日ぐらいかな」と説明。3月10日からの教育リーグ、ソフトバンク2連戦でデビューするプランも浮上した。今後は球数を増やした打撃投手を数回務め、実戦形式のシート打撃登板を経てGOサイン。宜野座で報告を受けた中西投手コーチも「かなりいいみたいやね」と目を細めた。
横山 横の変化だけでなくフォークの精度も上げないと1軍で通用しない。(今後打者に投げて)探りながらものにしたい。開幕1軍? そこは見ています。
今は石崎や江越らの同期ルーキーが輝いているが、俺もその輪に割り込んでみせる-。遅れてきたドラ1の逆襲開始だ。【松井清員】
◆横山雄哉(よこやま・ゆうや)1994年(平6)2月21日、山形県生まれ。山形中央-新日鉄住金鹿島。昨秋ドラフトで1位指名。昨年11月の21U・W杯初戦オーストラリア戦で3イニング8奪三振の好投。最速151キロの直球、スライダーが武器。好きなタレントは武井咲。好きな食べ物は地元山形名物の芋煮。183センチ、84キロ。左投げ左打ち。
<横山の苦闘>
◆離脱 新人合同自主トレ中の1月8日、大阪市内の病院で「左胸鎖関節の炎症」と診断される。16日に室内練習場でキャッチボールを再開。23日、キャンプ2軍スタートが決定。
◆キャンプイン 2月1日、キャッチボールの距離を10メートル延ばして60メートルに。「質のいいボールを投げられるようになればブルペンに入りたい」。
◆打撃も非凡 3日、ロングティーで50スイングで16本柵越え。
◆解禁 6日、初めてブルペン入り。捕手を立たせて34球。「5、6割の力。最後はいいバランスでボールが伸びる感覚があった」。7日もブルペンで連投。
◆本格投球 11日、ブルペンで初めて捕手を座らせて23球。「低めに三振を取れる球を投げたい」。17日、ブルペンで初めて変化球も披露。カーブとスライダーを交ぜ35球。21日はフォークも試投した。




