ソフトバンク工藤公康監督(51)が古巣西武に連勝し3連勝を飾った。勝利をもたらしたのは3番柳田悠岐外野手(26)の快足だった。4回には「ライト前二塁打」から続く内川の中飛で三塁へ。中継が乱れる間に先制のホームを踏んだ。柳田の足を最大限に生かす「3番柳田、4番内川」構想が、思い通りの威力を発揮し、会心の勝利につなげた。

 これぞ工藤野球の真骨頂だ。4回1死で柳田の打球は飛び込んだ二塁手の左横をゴロで鋭く抜けていった。その瞬間、柳田は「行ける」と脇目も振らず二塁へ。外野手が深めに守っていたとはいえ、快足で「ライト前二塁打」にし一気にチャンスをつくった。

 続く内川の中堅への大飛球でタッチアップし三塁へ。スピードを落とさず、遊撃手への返球が乱れる間に一気に生還だ。あっという間に先制点を奪った。「飯田コーチが回していたので行った」。コーチの指示を確認後、中継が乱れているのを自分の目でも確認し、本塁へ駆け抜けた。

 飯田コーチは「うまく走ってくれた。あそこに尽きる。柳田にはオレが止めるまで走れと言っている。ナイス判断」と褒めた。三塁コーチとの絶妙なコンビプレーが、足技の威力を引き出した。

 7回の2点目にも絡んだ。打者内川の時にフルカウントで一塁走者柳田がスタートを切り、通常なら二塁正面の当たりが右前に抜けた。一、三塁とし、得点につなげた。工藤監督は「足が速いことは相手にとって脅威になる」と会心の笑みを浮かべた。

 工藤監督が就任して考えたのが、柳田の足を最大に生かすこと。柳田を警戒し、内川に対し直球系の配球になる。内川を抑えるために変化球が増えれば柳田が走れる可能性が高くなる。「3、4番は今の形が一番いいと思います」と工藤野球の軸ははっきりしている。

 柳田は9回、二塁へのゴロも快足で内野安打にした。今季8戦目で早くも3度目の猛打賞。打率は5割1分6厘とこちらもノンストップだが…。「状態は普通。球の見え方は全然いいですけど。打球が上がらないのは難しいところですね」。トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を目指すだけに悩みもハイレベルだ。

 連勝を延ばせば、今日にも首位に並ぶ。リーグトップのチーム打率3割1厘を誇る強力打線には、柳田の上を行く打率5割1分9厘の松田が7番に控える。5戦連続2桁安打中だった打線はこの日は7安打だった。そんな“打てない”時にこそ、柳田の快足という武器が輝く。【石橋隆雄】