ついに最下位にまで落ちてしまった。1週間前は首位だった虎が6連敗を喫し、広島と並んで5位タイとなった。広島黒田を打ち崩せず、カープ復帰の新井にV打を打たれての敗戦。本拠地甲子園開幕から白星なしの4連敗は、フランチャイズ制確立以降ではワーストタイ。ちょっとばかり春眠が長いのでは…。はよ、目覚めてや~。
週末の行楽日和が台無しになる悪夢だった。晴れ渡った甲子園に大観衆のため息が何度ももれた。1-1の6回、踏ん張っていた先発ランディ・メッセンジャー投手(33)が崩れていく。スコアボードに無情な「4」が刻まれる。6連敗で、借金は昨季、1度もなかった3に達する。和田豊監督(52)も悪循環を指摘した。
「(メッセンジャーは)悪いなりに踏ん張ったけど点を取れないから踏ん張りきれない。点を取らないことには活気が出てこない」
弱り目にたたり目だ。深刻な貧打にあえぐなか、メジャー帰りの黒田と対戦。いまの状態では酷すぎる相手だった。打ち崩す最大のチャンスは1回だろう。先頭鳥谷が初球を左前へ。俊介がバントで送り、西岡は冷静に四球を選ぶ。テンポ良く1死一、二塁の先制機を築き、ゴメスに打席が巡る。3球目の外寄り148キロ直球に詰まらされ、遊撃への併殺打に倒れた。主砲も「いい投手と言い続けている通りだった。制球が良かった」と首をかしげた。
最善の準備も報われなかった。昨季、ヤンキースの大黒柱だった男の広島復帰はスコアラー陣にとって最大の懸案だった。開幕前の実戦を撮影するなど洗いざらい情報を集めた。雨天中止になった前日10日は練習後、クラブハウスの1室にナインを集めてミーティングを行う念の入れようだ。「ツーシームなど動く球が多く、個々で注意するように」と対策も出たが、打席に入ると難攻不落だった。
縦横無尽に球を動かす。ツーシームの曲がり幅も大きく、かと思えば逆方向に鋭いスライダーを操る。和田監督も「もう1歩までいくんだけど。相当、動かしているのは分かっているんだけど」と嘆いた。福留のソロ弾と適時打で2点を挙げただけ。もどかしいまま6イニングが過ぎ去った。
甲子園開幕から、いまだ白星なしの4連敗。この惨状は99年以来、16年ぶりのケースでワーストタイだ。「まず止めないことには…。6連敗はすべて先に点を取られている。打者が早く1点でも2点でも取って、投手を楽に投げさせないと。それが流れだと思う」。復調気配の上本の上位打線復帰など、再びオーダーを変更する可能性が高い。春先の正念場を乗り越えないと、先が見えない泥沼にはまりこむ。【酒井俊作】



