中日がDeNAとの直接対決を劇的に制し、再び首位に並んだ。延長12回、2死一、三塁からエクトル・ルナ内野手(35)が中前に運んだ。サヨナラ勝ちは今季3度目で、ルナは来日初のサヨナラ打。先発吉見が7回無失点と好投。逃げ切りには失敗したが、粘り抜いた。同じく12回サヨナラ勝ちだった1週間前に続くミラクルサンデーを、総力戦で演出した。

 いつまでの歓喜の輪を解かないナインたちに、出迎えの最前列に立つ谷繁元信兼任監督(44)が「早くしろよ!」と大笑いで手招きした。3度目のサヨナラの味は格別だったに違いない。

 開始から4時間30分を超えた最終回にドラマが待っていた。助演男優賞は背番号27。2-2の延長12回。1死から大島が四球で出塁。ここで投手田島に「代打オレ」。今季2度目の代打に場内は沸きまくる。しかし、打席に立った指揮官は得意の送りバントを2球連続でファウルに…。

 引き分けかな~? ため息で落胆の色が濃くなったそのとき、大島が二盗を決め、カバーした。スリーバントのサインは出なかった。強攻に転じた兼任監督は右狙いの二ゴロで大島を三塁に進めた。平田の敬遠をはさんで、ルナが決めた。

 指揮官は自らのミスを選手に救われた格好になった。「ヒットを打ちにいきましたよ。その中での最低限だったけど、バントを成功しないと…という思いだけです。大島はよく走って、ああいう場面をつくってくれた」と感謝した。

 ホームでは8勝1敗という無類の強さ。同点にされた直後の8回には平田が2死二塁から適時三塁打。9回に福谷がロペスに同点ソロを浴びて兼任監督もさすがに「8回、9回の流れを見るとどうかなと思ったけど」という悪い展開だった。それでも、10回を又吉、11回からは田島が2回をパーフェクト投球で踏ん張り、打線は延長に入ってからは毎回得点圏に走者を進める粘りを見せた。

 エルナンデスに氷水の入った給水器を浴びせられたルナが、好調の要因をこう挙げる。「とにかくチームが団結している。僕は3年目だけど、ファミリーのような雰囲気でやっているよ」。再び演出したミラクルサンデー。最後まで声を枯らした竜党にも最高の恩返しができた。【柏原誠】