楽天の則本昂大投手(24)が日本ハム戦で6回8安打2失点と苦しみながら、今季初勝利を挙げた。3年連続の開幕投手を務めたが、ここまで3試合は0勝2敗。待望の白星だった。1月のヤンキース田中との自主トレでは、勝つための投球を議論。その答えの1つが「調子が悪い時こそ負けない投球をする」だった。エースの哲学を実践し、チームを2連勝、貯金1に導いた。
今季初めてのお立ち台を則本はかみしめた。「今日、ようやく1勝できました」。勝利を待ちわびていたファンの大歓声を受けて、思わず顔がほころんだ。本調子ではなかった。制球が定まらない。いつもならば低めへ決まる直球が高めに浮く。1回1死一、二塁。日本ハム中田への初球が甘く入った。左翼線を破る痛烈な安打を浴びて先制点を献上。「フォーム自体がバラバラだった」と自らの異変にすぐに気付いた。
3回終了後、ブルペンに入り直した。フォームのバランスを確認。傾斜での重心移動を微調整し、何とかしのいだ。「フォークも使えなかった。チェンジアップも本塁打にされた」と要所を一番頼りにできるスライダーで切り抜けた。好守にも助けられた。6回1死一、二塁、岡の右前打を右翼手松井稼が好返球し、本塁で補殺。「野手の方に助けられた。感謝です」と粘りで勝利を引き寄せた。
負けない投球を志す。1月の自主トレで、ヤンキース田中と投球論を交わした。自らの状態が悪い時に、いかにチームを勝たせる投球をするか。自信のあるボールではなく、その日に使える球を見極める。自分自身を知ることが勝利への近道だった。「チームを勝たせられる投球をする」と強い決意があった。
大久保監督も「はじき返されても、向かっていく強さが則本にはある。みんながノリに勝ちをつけたいと思った」と勝利への執念を評価した。これで貯金は1。泥臭く、粘り強く、浮上の兆しが見えてきた。【島根純】



