藤浪に何があったのか。阪神藤浪晋太郎投手(21)が、自身ワーストの7失点だ。初回に球団史上最速の158キロをマークしたが、3回に守備のミスにも足を引っ張られ、5失点と崩れた。4回にも追加点を許すなど、5回8安打でKOされた。4敗目を喫し、6試合白星がないのも、同一シーズンでは自身ワースト。最下位広島に0・5ゲーム差に迫られた。

 変化に苦悩が表れていた。藤浪は5回、セットポジションの位置を変えた。通常はベルト付近に置くグラブを胸の前まで上げ、この回を無失点で切り抜けた。

 「クセのことはなかなか言えないですけど、そういうことも考えつつ、変えてみようと思いました」

 4回を終えて8安打7失点。確かにクセを見破られていた可能性もある。周囲がそう疑いをかけたくなるほど、立ち上がりは抜群の出来だった。1回は3人斬り。2番菊池には自己最速を1キロ更新する外角158キロを投じ、空振り三振に仕留めた。球威良し、テンポ良し、制球も上々。前回2日巨人戦の8回1失点に続く快投を予感させた。

 「状態はこの前と同じぐらい良かった。真っすぐも走っていたんですが、狙いをしっかり絞られました」

 乱れたのは0-0の3回だ。味方失策が影響して2死一、二塁。力みからか、逆球、直球のシュート回転が目立ち始めた。5番松山に浮いた153キロで三遊間を破られ、先制点を献上。暴投、四球、押し出し四球で2点目を奪われ、2死満塁からは8番会沢に走者一掃の左翼線3点二塁打を浴びた。4回には3番丸に中越え2ランを許し、5回を自己ワーストの7失点(自責2)で4敗目を喫した。

 シーズン初戦の3月29日中日戦で今季初星を挙げたのを最後に勝利がない。同一年では自己最長となる6戦連続白星なし。本拠地甲子園でも今季初黒星。負のデータ以上に痛打の内訳が気掛かりだ。藤浪は松山の先制打を「簡単にはじき返されるボールではない。違和感があった」と振り返った。会沢には甘く入ったとはいえ初球のカットボールを狙い澄まされ、丸の2ランもカットボールに完璧なタイミングだった。

 広島には昨季9戦で6勝1敗。対して今季は3戦0勝2敗。前回4月25日のマツダスタジアムでも5回6失点と苦しんだ。昨季対戦打率4割2分1厘の松山には今季も6打数5安打と打ち込まれ、昨季5割8分3厘の“天敵”丸は今季も9打数4安打と分が悪い。さらに今季は田中にも11打数で6安打を許している。

 「しっかりはじき返されるということは、コースが甘いということ」。藤浪は最後、自らに言い聞かせるように自分を責めた。カープに痛打される原因とは? 早急に究明する必要が出てきた。【佐井陽介】

 ▼藤浪が1回、菊池に投じた158キロは球団最速。久保田智之が05年6月21日中日戦で、藤浪自身が今 季5月2日巨人戦などで計測した157キロを更新した。

 ▼藤浪の1試合7失点は、過去の6失点(5度)を超えて自身ワースト。また、今季初登板の3月29日中日戦(京セラドーム大阪)で勝ったのを最後に、4月5日巨人戦(東京ドーム)から連続6試合で勝ち星がない。同一シーズンでは、13年9月7日巨人戦(甲子園)から10月5日巨人戦(甲子園)にかけての5試合を超え、プロ入り後最長。ちなみに甲子園で黒星は、13年9月7日巨人戦、14年4月8日DeNA戦に次ぎプロ3度目。