「連敗ストッパー」就任だ。阪神岩田稔投手(31)が7回途中3失点で3勝目を手にした。3者凡退は1イニングだけ。勝負を避けて歩かせたのを含め4四球と微妙な制球力を欠いた分、直球で押し込んだ。自身3連勝を飾り、チームの連敗を3で止めた。

 「粘らないと、岩田稔じゃない。連敗だったし、絶対勝たなアカンという思いはあった。たくさん点を取ってもらって感謝です」

 2日前の11日。東京移動直後の夕食時、選手宿舎近くの大型ビルに立ち寄った。数十軒ある飲食店の中から選んだのは、カウンター10席のみのこぢんまりした大衆居酒屋だ。ホロ酔いのサラリーマンたちに溶け込み、マグロの頬肉ステーキやさつま揚げをつまんだ。

 「いい雰囲気の店やな。オレも今年で32歳。こういう店に行きたくなるよな」

 今季でプロ10年目。ベテランと呼ばれる年齢が近づいてきた。毎試合、入念な準備をしてマウンドに上がる。登板日の午前中は必ず個人トレーナーの手で全身をメンテナンスし、場所を見つけてキャッチボールで体重移動を確かめてから球場へ。繊細な感覚調整が好結果を生んでいる。

 休日だった7日は結婚記念日と愛妻の誕生日を食事で祝い、高級な靴を贈った。夫として全力投球した後は、マウンドでチームの危機を救った。「いいイメージがない」というスライド登板。過去10戦2勝8敗だった神宮球場。2つの「苦手」を一気に克服した。

 前回5日中日戦でも2勝目をあげ、4連敗を阻止している。阪神先発陣の中で今もっとも安定感がある男。このまま大黒柱に名乗りを上げ、チームを逆襲に導きたい。【佐井陽介】