憧れのヒーローに、代名詞といえるバックスクリーン弾で追い付いた! 巨人の阿部慎之助内野手(36)がヤクルト10回戦の7回1死、首痛からの復帰後初本塁打となる決勝3号ソロを放った。少年時代から憧れた阪神の掛布雅之DC(60)に並ぶ通算349号で、チームの連敗を3で止め、勝率5割に導いた。打撃フォームを本来の上段構えに戻して、原点回帰。ここ2日間の原監督の直接指導に、最高の結果で応えてみせた。
筋書き通りの放物線だった。通算349本目のアーチは、伝説の3連発が飛び込んだ“バックスクリーン”で弾んだ。憧れの英雄に肩を並べた阿部は、少年時代を思いながら、ゆっくりとダイヤモンドを回った。
阿部 左打ちになったのも掛布さんの影響ですし、憧れの方に並ぶことができてうれしいです。また、これから1本1本積み重ねていきたいです。
生まれながら、運命の糸で結ばれた存在だった。父東司さん(60)と掛布DCは千葉・習志野高の同学年でクリーンアップを組んだ。幼少期、阪神ファンだった阿部は「チョー憧れた」男の背中を追いかけるように、少年時代から、同じ左打ち。高2で捕手に転向するまで三塁を守った。
プロ入り後、憧れから、目標に変わった。「生涯成績で何か1つでも抜きたいと思ってやってきたんだ」。通算安打、通算打点は昨季超えた。残るは昨年、掛布DCから「あとホームランは何本だ? 抜いたら、メシをおごるよ」と約束された通算本塁打。「それが、楽しみなんだ」とオフから待ちわびた瞬間を「次は350号を目標に」とバリバリ意識した。
上段の構えから、豪快にパワーを解き放った強烈な1発だった。25日からの2日間、原監督から直接指導を受け、インパクト時の力の入れ方を確認。偶然にも、掛布DCとゲスト解説で同席した昨年の日米野球で再確認したポイントだった。「静観して、そこから打ちにいくイメージ」と最も参考にしたドジャース・プイグと重なった。
首痛の影響から、リーグ戦再開を機に、一塁へ再コンバート。原点回帰するように、ズボンの裾を上げるクラシックスタイルに変更。自らズボンを短く切ってまでこだわった。チームの連敗を3で止め、勝率も5割に復帰。原監督は「あの場面であれだけ強振して、非常にスイングの精度も良かった」と評価した。G党に刻まれるバックスクリーンの記憶を、阿部が自身の349号に塗り替えた。【久保賢吾】
▼阿部が7回に決勝アーチ。静岡での1発は04年6月15日横浜戦、07年5月17日横浜戦に次いで3本目になる。阿部は通算349本塁打、1051打点となったが、1-0決勝打はプロ入り初めて。通算382本塁打の原監督は1-0本塁打を打っていないものの、本塁打以外で1-0決勝打を5本記録。巨人の通算打点上位10人(1位王2170打点で10位篠塚628打点)の中で、阿部だけが1-0決勝打を打っていなかった。



