バットを顔の前で離し、跳びはねて走りだした。広島新井貴浩内野手(38)の独特のフォロースルーが決まった。「肩口からスライダーが来たから反応で。越えてくれと思いながら走った」。左翼スタンドへの着弾を確認すると、コイ党は大歓声に総立ちで新井をたたえた。
両チーム無得点の3回2死二塁で出た4号先制2ランだった。打てそうで打てなかった中日山井をとらえた。「こんな歓声は夢にも思っていなかった。逆に喜んでもらえるようにと思った」。8年ぶりに復帰し、球宴にもファン投票で選出された。3万1396人に感謝も込めた1発だった。
お立ち台では鈴木誠、野間から豪快に水を掛けられた。38歳の1軍野手最年長は水と汗をタオルで拭き「勝ちたいし優勝したい。素直でいい子が多いから。(水の祝福は)しっかり覚えておくよ」と笑った。
この1発でチームは借金を4まで減らし、首位阪神とは3・5ゲーム差をキープ。緒方監督も「ベンチでも大声を出してくれる。精神的にも柱になってくれている」と最敬礼だ。新井の人徳がチームを導く。明日からの巨人戦で、コイはもっと高く跳ねる。【池本泰尚】



