ソフトバンクが、昨季の沢村賞右腕を一気に攻略し、貯金を今季最多の20に乗せた。2点を追う5回。打者13人の猛攻で、今季1イニング最多の9得点だ。変幻自在の攻撃だった。無死一、二塁で今宮にはバスターの指示。外角直球を逆らわずに、右前に流し打った。満塁として、中盤ながら正捕手細川を下げ、代打高田知季内野手(25)を投入。2ストライクから4球ファウルで粘って、押し出し四球。オリックスのエース金子から1点をもぎとった。

 工藤公康監督(52)は「金子君から、そう点を取れるわけじゃない。今宮のスタイルなら、バスターの方が合う。(高田は)ファウルで粘ることができる」と思惑を明かした。緊急の代打指名で少しバットを振っただけの高田も「相手は押し出しを嫌がっていた。ファウルで粘る気持ちだった」と冷静に役割を果たした。

 この1点で強力打線にスイッチが入った。明石が初球を引っ張り、右前に逆転の2点適時打。柳田、李大浩の適時打など、この回の7安打中6本が右前打と、一、二塁間をしぶとく抜いて9得点。金子には8失点を刻んだ。工藤監督も「すごかったね。満塁で高田の四球が大きかった。あそこから明石が打ってくれて、勢いづいた。つなぎの意識を持ってくれているのが、大きい」と、自軍の破壊力に驚くばかりだ。

 これで日曜日は10連勝。貯金20到達は昨年よりも17試合早い。工藤監督は「もう大丈夫、と思ってやりたくない。目の前の試合で力を発揮できるように、やっていく」と表情を変えずに言った。【田口真一郎】