DeNAは、下位打線の「伏兵」と「高木勇キラー」が、好機にバットで暴れまくった。2点リードの7回2死三塁、今季5回目のスタメンに入った宮崎敏郎内野手(26)が、両目をぎらつかせた。「明日も試合に出られるか分からない。全ての打席が代打の気持ち」と、巨人5番手の宮国の外角フォークを強振。低弾道の打球を中前にはじき返す適時打で相手の反撃の望みを断ち切った。

 待望の今季初打点を挙げた安打で、13年6月2日の日本ハム戦以来771日ぶり、2度目の猛打賞を決めた。「僕はバットマンですから。打てて良かった。自分はオールスターまでが勝負。ヘッドスライディングは当たり前ぐらいでやらないといけない」。右膝を負傷している石川の代役としての期間は限られていることは理解している。だからこそ、今後のプロ生活をかけるぐらいの覚悟で臨んでいた。

 思いを凝縮した3本の安打は全て3球目以内。「僕はいつも後藤さんたちの背中を見ている。ファーストストライクを見逃さない集中力と、積極性。ハマスタでの先発は久々。このチャンスを絶対に生かしたかった」と、佐賀出身の九州男児に二言はなかった。

 巨人の先発高木勇をプロ最短KOに沈めたのは、倉本寿彦内野手(24)だった。中畑監督から「今日は倉本が2人ほしいな」と好相性を買われて普段の7番から打順を1つ上げた6番で起用され、3回1死二塁の好機で期待に応える適時打をマーク。前回対戦まで10打数6安打3打点の「お得意さま」からチーム5点目を奪った。「追加点がほしい場面だったのでしっかり結果を出せて良かった」と喜びをかみしめた。

 主軸に負けじと、いぶし銀たちも存在感を発揮した。DeNAには、まだまだ若き力が眠っている。【松本岳志】

 ▼DeNAが5月10日から巨人戦4連勝。巨人に4連勝は06年6月27日~8月4日に6連勝して以来9年ぶり。DeNAの巨人戦最多連勝は7。