ついに目覚めた。中日の4年目高橋周平内野手(21)が、先制の4号2ランを含む3安打4打点と活躍した。谷繁元信兼任監督(44)が我慢して起用してきた主軸候補が、得意の夏本番に向けて急上昇の予感だ。チームは14安打9得点と先発野手全員安打で2カ月ぶりの3連勝。今日15日、最下位脱出の可能性が出てきた。
苦しんでいた高橋周が大仕事だ。2回2死一塁。1ボールからライアン小川の136キロ変化球をフルスイング。滞空時間の長い先制4号2ランが右翼最前列に飛び込んだ。「ストライクが来たら思い切って振ろうと思っていた。入るとは思わなかったですけど…入って良かった」。5月28日ソフトバンク戦以来となる感触。この一撃がチーム14安打9得点の号砲だった。
4回は無死満塁から四球を選んで3点目。冷静に3ボールから甘い直球を2度打ちにいった末の四球だった。第3打席で7点目となる左前適時打を放つと、第4打席も右前打。チームは久々に打線がつながり先発野手全員安打の猛攻。その主役は、3安打4打点の21歳だった。
ようやく光が差した。6月1日に今季初めて出場選手登録を抹消された。今月4日に約1カ月ぶりに1軍に戻ってからも、自分の間合いで打てるように試行錯誤。「ちょっと自分のなかで変えたところがあった」と、12日広島戦で25打席ぶりにヒットを放った。ぼんやりとしていた手応えが、この試合ではっきりした。
夏男だ。気温が上昇と比例して調子も上向く。プロ入りし後の3年間で13本のアーチをかけているが、そのうちの9本が7月、8月の真夏に放っている。高校球界を沸かせたスラッガーの性か。それとも、夏の気圧配置が背番号3の背中を押すのか。いずれにしても勝負の夏は、周平の季節だ。
我慢して起用してきた谷繁兼任監督も珍しく褒めた。「ホームランも良かったけど、今日に限ってはホームランのあとの3打席が良かった」。チームは2カ月ぶりの3連勝で首位巨人とは3・5ゲーム差。今日15日に中日が勝ち、5位広島が敗れれば、念願の最下位脱出だ。史上まれにみる混セ。最下位からの下克上は十分にある。【桝井聡】



