タクトを振るえば、選手が指示通りに動いた。広島緒方孝市監督(46)の采配が決まり、連敗を3で止めた。先発薮田和樹投手(22)を4回無失点ながら諦め、2番手戸田を投入。さらに7回からは大瀬良を2イニング、9回は守護神中崎とつなぎ0封リレーを演出した。後半戦を見据えたオーダーも効果的に得点。前半戦は借金4で終え、勝負の後半戦へ。執念の采配は続いていく。
スタンドがざわついた。1点リードの5回1死走者なし。緒方監督が勝負手を打った。6四死球を与えながら2安打無失点で粘っていた先発薮田の打順で、代打堂林を告げた。5回を投げきればプロ2勝目の権利もあったが、勝ちに徹した。鬼手仏心-。座右の銘通り、親心は封じ込めた。
「よく粘って投げていたし、もう1回というのも考えたけど。球数(4回83球)も使っていたし、力んで引っかける球もあった。大崩れする前に、というのもあった。だから代えた」
薮田が2死球を与え、警告試合が宣告されるほどピリピリした試合だった。ルーキーの心労を考慮し、いいイメージのまま降板させてやることを優先した。自身も若い時代は代走、守備固め要員からスターダムに駆け上がった。1軍の経験は必ずプラスに働くと確信がある。試合後には薮田の出場選手登録抹消を決めたが「また8月の連戦で組み込もうと思っている。しっかりやってきてほしい」とフォローも忘れなかった。
指揮官のタクト通り、選手も役割を全うした。2番手戸田は5回から2イニングを無失点に封じた。「いつでもいけるように準備はしていた。絶対に点はやらないと思って投げた」と左腕。思いは3番手で2イニングを投げた大瀬良、守護神中崎へとリレーされていった。0封リレーで、前半戦最終戦を締めくくった。
攻撃も采配がはまった。田中を6月9日西武戦以来の1番で起用し、調子が戻ってきた丸を3番に据えた。「ある程度後半戦も見据えて、これでいこうという形にした。いろんな意味で機動力も使えるし、外国人の調子もある。4番以降は新井の状態も見ながら。入れ替えも考えている」。“後半戦オーダー”は4回に先制点を奪い、7回、9回と効果的に加点した。
代打、代走の起用もズバズバと決まり、選手も起用にしっかりと応えた。連敗を3で止め、借金4で前半戦を折り返した。5位ながら首位とは2ゲーム差をキープする。緒方カープは必死に食らいつき、大外から差し切るイメージを持っている。【池本泰尚】



