1安打負けの翌日は、虎史上最大の屈辱敗戦…。阪神が巨人に連敗を喫し、1・5ゲーム差に迫られた。5回に10安打を打ち込まれて12失点。1イニング12失点は球団ワースト。先発能見篤史投手(36)が無安打から突如崩れ、後続投手陣も炎上した。今日20日の第3ラウンド。意地の勝利を挙げ、再びVロードを進み始めてくれ。

 球団史上最悪の長い、長い悪夢が終わった。5回、このイニング2打席目の坂本の飛球を大和が捕球した。スコアボードには屈辱の「12」が刻まれていた。打者17人、10安打を浴びた。打たれっぱなしの約1時間が終わった時、敵地の左半分を埋めた虎党は静まり返っていた。

 和田監督 (能見は)1本打たれてセットになってから球が落ちたような気がするな…。バッテリーもそこまでうまくやっていたけど、ピンチになって単調になったかなあ。

 前夜は1安打負けを喫し、この日は歴史的大敗となった。連夜の屈辱に指揮官の表情も険しくなった。

 悪夢の始まりは突然だった。3点リードの5回、そこまで無安打投球の能見が無死から連打を浴びた。球が浮き始めた。一、二塁から村田に右中間へタイムリーを運ばれると、続く小林には追い込んでから内角攻め。速球で見逃し三振かと思われたが判定はボール。巨人にしつこい打撃に、徐々に力を削り取られていくかのように能見がつかまっていく。最後は甘くなったところを左前に運ばれた。あっという間に1点差となり代打井端の犠飛で同点。さらに立岡、片岡の連打で2点を勝ち越された。

 能見 少し(球が)高かったというのはあるけど、悪くはなかった。あれだけヒットが続くと気持ち悪い。(相手の研究は)多少あるのか、ないのか…。難しいですね…。反省して次に生かさないといけない。これで終わりじゃないんで。

 4連勝中だった左腕も王者の力に屈し、10敗目。ここでベンチは2番手歳内を投入したが、ここからが本当の地獄だった。5試合連続登板の右腕は二塁打、四球、四球で1死も取れず火に油を注ぐと、3番手山本はさらに悲惨。亀井、村田に連続二塁打を許すと、2四球を挟んで片岡にもタイムリー二塁打。永遠に終わらないかのような一方的な打たれっぷりに首位を争う緊迫感は吹き飛んでしまった。

 1イニング12失点は球団史上ワースト。これで2位巨人に1・5ゲーム差に迫られた。

 和田監督 それがどうのではないんでね。とにかくこんなことでバタバタすることはないんで。明日の一戦に集中するだけ。以上です!

 指揮官は自分に言い聞かせるように前を向いた。重要な一戦となった第3ラウンドへ、気持ちを向けた。【鈴木忠平】

 ▼阪神が5回に喫した12失点は、1イニングの球団最多記録(1リーグ時代含む)。従来のワーストだった、75年8月26日大洋戦(甲子園)3回の11失点を、40年ぶりに更新した。巨人戦での1イニング2桁失点も史上初。また、この回に送られた打者17人も、2リーグ分立後の球団ワースト。

 ▼阪神の5回の10被安打は、1イニングでの球団ワーストタイ記録。98年8月25日横浜戦(甲子園)8回の10被安打と並んだ。

 ▼阪神が、今カード中に巨人の自力優勝の可能性を消滅させることはなくなった。巨人は今日20日阪神に敗れても、21日以降の残り30試合に全勝すれば最終勝率は6割1分3厘。阪神は同じ期間の33試合中、巨人戦を除く全28試合に全勝しても、巨人に5敗すれば6割6厘に終わり、巨人を下回るため。なお、今日20日に阪神が敗れれば、巨人戦13敗目となり、今季の対巨人での負け越しが決まる。