小高いマウンドの上で、ゲームセットを迎えた。日本ハムのドラフト1位、有原航平投手(23)がプロ初完投勝利を初完封で飾った。プロ入り最多の136球を投げ抜き、「3度目のチャンスだったので、決めたかった。ホッとしました」。オリックスには2戦2勝と好相性だったが、9回に連打を食らって降板した2度の苦い記憶があった。この日は散発4安打で無四球、二塁すら踏ませない完璧な内容で8勝目。自己最多8三振を奪った。
野球の神様は最後まで試練を用意していた。9回2死から代打ブランコに右前打を浴び、糸井を迎えた。「走者を出したらまわるのはわかっていた」。完全に封じていたオリックス打線の中で、糸井にだけは3安打を許していた。
これまでの9回は「走者を出して動揺してしまっていた」。精神的な弱さが、詰めの甘さにつながったと分析していた。「そこを変えようと思った」。相性の悪い強打者に真っ向からぶつかった。1ボールからの2球目は膝元へのカットボール。続く3球目もフォークで内角を攻めて追い込むと、最後は外へのフォークで試合を締めた。
2桁勝利を視界にとらえ、新人王レースでも先頭を走る。「(新人王は)まだまだです。もっと安定感のある投球がしたい」。4球団が競合した昨年ドラフトの目玉。目指すべき場所は、もっともっと高いところにある。【本間翼】



